なんで男の子は
曝け出すと
逃げちゃうのかな。
醜い顔で泣いたり喚いたり
物投げ付けたり
裸見せたり喘いだり
「スキ」と口に出してみたり。
その瞬間
魔法が解けたみたいに
拒絶するのは
どうしてかな。
あたしは
ドレスを身に纏ったままの
お姫様なんかじゃない。
血も出るし
排泄もするし
醜い感情だって持ってるし
ただ全力で生きたいだけなのに。
バカみたい。
キレイ事だけなんて。
そんなのキレイじゃない。
弱虫。
傷だらけになんなきゃつまんない。
宝箱にそっと入れとくだけの
そんな感情棄てちまえ。
あーあ
何にも持ってなくていいのに
何かに執着する情熱も
労わりの心も
生きる意味も
あたしが教えてあげるのに。
あたしだけを
見てくれたら良いのに。
あたしだけを
見つけてくれたら
何でもするのに。
曝け出すと
逃げちゃうのかな。
醜い顔で泣いたり喚いたり
物投げ付けたり
裸見せたり喘いだり
「スキ」と口に出してみたり。
その瞬間
魔法が解けたみたいに
拒絶するのは
どうしてかな。
あたしは
ドレスを身に纏ったままの
お姫様なんかじゃない。
血も出るし
排泄もするし
醜い感情だって持ってるし
ただ全力で生きたいだけなのに。
バカみたい。
キレイ事だけなんて。
そんなのキレイじゃない。
弱虫。
傷だらけになんなきゃつまんない。
宝箱にそっと入れとくだけの
そんな感情棄てちまえ。
あーあ
何にも持ってなくていいのに
何かに執着する情熱も
労わりの心も
生きる意味も
あたしが教えてあげるのに。
あたしだけを
見てくれたら良いのに。
あたしだけを
見つけてくれたら
何でもするのに。
左手の薬指にマリッジリング
まあるく膨らんだ御腹
隣には最愛の人
季節は夏で
黒のチューブトップ
生地のよい膝下スカート
御腹をかばうシルクのスカーフ
髪をアップにしばって
薄化粧
でも唇にはたっぷりのグロス
場所は見慣れたクラブ
エキゾチックな音楽
首筋がぞくぞくするヒップホップ。
「何飲む?」
「グレープフルーツ」
彼の人にチケットを渡し
フロアの中心に目を遣る。
前の方から
俯いて
猫背で
揺れながら
こっちに
向かってくるのは
「藍人?」
目が合うふたり。
絶句。
「あはは」
笑い出したのはあたし。
気まずそうな藍人。
「結婚しちゃった」
指輪をひらひら。
御腹に視線。
「赤ちゃんもいるんだな、これが」
あたしはずっとずっと笑顔。
つられるように
でもいつものあの
皮肉な笑顔で
「そっか」
と笑った。
「藍人は?」
「ん?」
「彼女いるの?」
「ああ。」
「そっか。元気してる?」
「ああ。」
やっぱり
会話にならないんだね
あたしたち。
「誰?」
戻ってくる彼の人。
「あ、藍人くん。友達。」
硬直する藍人の身体。
「じゃ、行くわ。」
後姿を見送る。
「元カレ。」
「え?」
「そうだろ?」
「ん。」
「そか。」
「なんでわかった?」
「目。」
「目?」
「嘘つくとき、うるうるするって知ってた?」
「え?」
「うさぎみたい。」
自分のお酒を一口飲んで
彼の人は言った。
「妬けちゃいますな。」
グレープフルーツごくり。
あたしは言った。
「妬けちゃいません。」
場面変換。
帰ろうと階段を降りるふたり。
立ち止まる。
あの子があたしを見送った場所で。
ケンカしたな、あの時。
「ちょっと待ってて。」
中にもう一度駆け戻る。
フロアには人が埋め尽していて
前の方は全く見えない。
掻き分け、掻き分け
突き進む。
迷惑そうに押し返される。
(倒れる)
そう思った瞬間。
腕を掴まれる。
「何してんの。」
ああ。
この手。
あたしが愛した
不機嫌な目。
悪戯な唇。
「探してた。」
「は?」
「言いたくて。」
「え?聞こえない。」
「あたしね」
「もっと大きい声出してよ。」
フロアは音楽と他愛も無い会話で
あたしたちを遮る。
「あたし」
「え???」
「好きだった」
「もう一回。」
「大好きだった!藍人のこと!」
聞こえたらしく目を丸くする。
はあと息が荒くなる。
「それだけ!ばいばい!」
立ち去ろうとすると
腕を掴まれた。
何か言ってる。
聞こえない。
もっと大きく。
ぐいと引き寄せられた
息で鼓膜を震わせた。
(おれも)
笑った。
ふたりで。
階段に戻ると
座り込んでる
最愛の人。
隣にちょこんと座る。
「お待たせしました。」
「なーにやってんだか。」
「あら、ご機嫌ナナメ?」
「別に。」
「あ。」
「ん?」
「嘘ついた。」
「なんで?」
「知らなかった?嘘つくとき
鼻がひくひくするって。」
「まじ?」
「まじまじ。」
あたしは笑って
彼の鼻先に
素早くクチヅケた。
「行きますか。」
立ち上がって手を差し伸べる彼。
しっかり握るあたし。
もうほどけないようにと
願いながら。
まあるく膨らんだ御腹
隣には最愛の人
季節は夏で
黒のチューブトップ
生地のよい膝下スカート
御腹をかばうシルクのスカーフ
髪をアップにしばって
薄化粧
でも唇にはたっぷりのグロス
場所は見慣れたクラブ
エキゾチックな音楽
首筋がぞくぞくするヒップホップ。
「何飲む?」
「グレープフルーツ」
彼の人にチケットを渡し
フロアの中心に目を遣る。
前の方から
俯いて
猫背で
揺れながら
こっちに
向かってくるのは
「藍人?」
目が合うふたり。
絶句。
「あはは」
笑い出したのはあたし。
気まずそうな藍人。
「結婚しちゃった」
指輪をひらひら。
御腹に視線。
「赤ちゃんもいるんだな、これが」
あたしはずっとずっと笑顔。
つられるように
でもいつものあの
皮肉な笑顔で
「そっか」
と笑った。
「藍人は?」
「ん?」
「彼女いるの?」
「ああ。」
「そっか。元気してる?」
「ああ。」
やっぱり
会話にならないんだね
あたしたち。
「誰?」
戻ってくる彼の人。
「あ、藍人くん。友達。」
硬直する藍人の身体。
「じゃ、行くわ。」
後姿を見送る。
「元カレ。」
「え?」
「そうだろ?」
「ん。」
「そか。」
「なんでわかった?」
「目。」
「目?」
「嘘つくとき、うるうるするって知ってた?」
「え?」
「うさぎみたい。」
自分のお酒を一口飲んで
彼の人は言った。
「妬けちゃいますな。」
グレープフルーツごくり。
あたしは言った。
「妬けちゃいません。」
場面変換。
帰ろうと階段を降りるふたり。
立ち止まる。
あの子があたしを見送った場所で。
ケンカしたな、あの時。
「ちょっと待ってて。」
中にもう一度駆け戻る。
フロアには人が埋め尽していて
前の方は全く見えない。
掻き分け、掻き分け
突き進む。
迷惑そうに押し返される。
(倒れる)
そう思った瞬間。
腕を掴まれる。
「何してんの。」
ああ。
この手。
あたしが愛した
不機嫌な目。
悪戯な唇。
「探してた。」
「は?」
「言いたくて。」
「え?聞こえない。」
「あたしね」
「もっと大きい声出してよ。」
フロアは音楽と他愛も無い会話で
あたしたちを遮る。
「あたし」
「え???」
「好きだった」
「もう一回。」
「大好きだった!藍人のこと!」
聞こえたらしく目を丸くする。
はあと息が荒くなる。
「それだけ!ばいばい!」
立ち去ろうとすると
腕を掴まれた。
何か言ってる。
聞こえない。
もっと大きく。
ぐいと引き寄せられた
息で鼓膜を震わせた。
(おれも)
笑った。
ふたりで。
階段に戻ると
座り込んでる
最愛の人。
隣にちょこんと座る。
「お待たせしました。」
「なーにやってんだか。」
「あら、ご機嫌ナナメ?」
「別に。」
「あ。」
「ん?」
「嘘ついた。」
「なんで?」
「知らなかった?嘘つくとき
鼻がひくひくするって。」
「まじ?」
「まじまじ。」
あたしは笑って
彼の鼻先に
素早くクチヅケた。
「行きますか。」
立ち上がって手を差し伸べる彼。
しっかり握るあたし。
もうほどけないようにと
願いながら。
あたしの顔の嫌いなところ。
まるい顔とまるい鼻。
あたしの顔の好きなところ。
二重の目と厚い唇。
あたしの顔のお気に入りは
耳。
左にみっつ、双子のシルバーちゃんと金の猫。
右にふたつ、ゴールドの輪っかさんと銀の猫。
金猫は気まぐれ
銀猫は甘えん坊
あたしがなりたい
弐匹の猫
まるい顔とまるい鼻。
あたしの顔の好きなところ。
二重の目と厚い唇。
あたしの顔のお気に入りは
耳。
左にみっつ、双子のシルバーちゃんと金の猫。
右にふたつ、ゴールドの輪っかさんと銀の猫。
金猫は気まぐれ
銀猫は甘えん坊
あたしがなりたい
弐匹の猫
あたしには野望がある。
正しくは出来た。
ついさっき。
シャワーの雨の中で。
もう彼の人と別れて
壱ヶ月が経とうとしている。
あたしは何か
変われたのだろうか。
前に進めただろうか。
あの部屋と同じ。
何も変わってないし
立ち止まったまま。
きっと笑われる。
いや、悲しくなるかな。
呆れて目も合わせないだろうか。
やつれた顔
怠惰な身体
惨めな心
あたしは
逃げていたのだろうか。
違う。
怖かった。
あの子が
居なくなったのだと
認める事が。
認める事は出来ても
消し去って進む事が。
だって。
戻ってきて欲しかった。
もう一回抱き締めて
キスして眠りたかった。
でも、それも
もうおしまい。
もう怖くない。
怖くならない為に
あたしは野望を
持つ事にした。
もし
また
何かの
運命で
あの子に
逢ったら。
またあたしを
あの目で
見つめるように
決して
目を
背けられないように
あたしは
あたしを
変える
変えてみせる。
そして
言うんだ。
「ありがと」って。
あたしが
あたしを
変えなくちゃ
憎しみは
感謝に
変わらない
あの子を
好きだった
あの時間を
無駄にしたくない
ねえ。
そうでしょ。
貴方にとって
声も聞かなくて
済むような
そんな女のまま
終わるなんて
地獄。
正しくは出来た。
ついさっき。
シャワーの雨の中で。
もう彼の人と別れて
壱ヶ月が経とうとしている。
あたしは何か
変われたのだろうか。
前に進めただろうか。
あの部屋と同じ。
何も変わってないし
立ち止まったまま。
きっと笑われる。
いや、悲しくなるかな。
呆れて目も合わせないだろうか。
やつれた顔
怠惰な身体
惨めな心
あたしは
逃げていたのだろうか。
違う。
怖かった。
あの子が
居なくなったのだと
認める事が。
認める事は出来ても
消し去って進む事が。
だって。
戻ってきて欲しかった。
もう一回抱き締めて
キスして眠りたかった。
でも、それも
もうおしまい。
もう怖くない。
怖くならない為に
あたしは野望を
持つ事にした。
もし
また
何かの
運命で
あの子に
逢ったら。
またあたしを
あの目で
見つめるように
決して
目を
背けられないように
あたしは
あたしを
変える
変えてみせる。
そして
言うんだ。
「ありがと」って。
あたしが
あたしを
変えなくちゃ
憎しみは
感謝に
変わらない
あの子を
好きだった
あの時間を
無駄にしたくない
ねえ。
そうでしょ。
貴方にとって
声も聞かなくて
済むような
そんな女のまま
終わるなんて
地獄。
無理矢理
誰かを
好きに
なったこと
ありますか。
無理矢理
誰かを
好きに
なることは
必要ですか。
賛否両論。
混乱中。
無理矢理
なんて
到底
出来なくて。
涙が
出るくらい
狂おしい
そんな
恋だけ
したくて。
それしか
したことが
なくて。
今も
変わらず
そう
思っていて。
きっと
出来ると
信じて
いたいのです。
でも
もうひとりの
誰かが
あたしに
囁くのです。
「淋しくないかい。」
「暖めてほしいだろう。」
「じゃあ。」
「進みなさい。」
「見つけなさい。」
「手当たり次第。」
「ぶつかりなさい。」
うるさい。
煩い。
ウルサイ。
ほっといてよ。
でも。
ダメ。
厭。
行かないで。
悪魔の
尻尾を
掴む
アタシ。
誰かを
好きに
なったこと
ありますか。
無理矢理
誰かを
好きに
なることは
必要ですか。
賛否両論。
混乱中。
無理矢理
なんて
到底
出来なくて。
涙が
出るくらい
狂おしい
そんな
恋だけ
したくて。
それしか
したことが
なくて。
今も
変わらず
そう
思っていて。
きっと
出来ると
信じて
いたいのです。
でも
もうひとりの
誰かが
あたしに
囁くのです。
「淋しくないかい。」
「暖めてほしいだろう。」
「じゃあ。」
「進みなさい。」
「見つけなさい。」
「手当たり次第。」
「ぶつかりなさい。」
うるさい。
煩い。
ウルサイ。
ほっといてよ。
でも。
ダメ。
厭。
行かないで。
悪魔の
尻尾を
掴む
アタシ。
オイシイモノッテナーンダ
2005年1月29日 連載フワリと揺れる髪から
草の匂い。
耳の裏側を通ると
子犬の匂い。
胸元に口付けると
ミルクの匂い。
貴方をうっとりさせると
あたしの舌には甘い味。
ねえ、いったい
なにでできてるの?
残像と眠る。
草の匂い。
耳の裏側を通ると
子犬の匂い。
胸元に口付けると
ミルクの匂い。
貴方をうっとりさせると
あたしの舌には甘い味。
ねえ、いったい
なにでできてるの?
残像と眠る。
音楽が好き。
テレビより音楽。
基本はヒップホップ。
合間にR&B。
時々ミクスチャー。
齧る程度にレゲエ。
だから音楽が好きな人が好き。
一緒の音が好きなら尚更好き。
目を閉じても隣で揺れているのがわかるような
そんな感覚が好き。
今日のみつき↓
テレビより音楽。
基本はヒップホップ。
合間にR&B。
時々ミクスチャー。
齧る程度にレゲエ。
だから音楽が好きな人が好き。
一緒の音が好きなら尚更好き。
目を閉じても隣で揺れているのがわかるような
そんな感覚が好き。
今日のみつき↓
黒。
白。
紫。
オレンジ。
冬のあたし色。
ベージュ。
ゴールド。
茶。
基本色。
赤。
黄色。
シルバー。
挑戦色。
漆黒の夜空。
白銀の星。
貴方との出来事は
灰色に染まる。
今日のみつき↓
白。
紫。
オレンジ。
冬のあたし色。
ベージュ。
ゴールド。
茶。
基本色。
赤。
黄色。
シルバー。
挑戦色。
漆黒の夜空。
白銀の星。
貴方との出来事は
灰色に染まる。
今日のみつき↓
ねえ、キミ。
ずかずかと
あたしの心に土足で入ってきて。
あたしが
泣いても笑っても怒っても
出て行ったりしないで。
ねえ、キミ。
弱いキミが好きだよ。
泣き顔も好き。
誰もがキミを罵っても
あたしが側にいるから。
大丈夫、怖くないよ。
ねえ、キミ。
あたしは器用でも完璧でもなくて
いつもどうしたらいいかわかんなくて
もがいてて
さめざめ泣いたりする
臆病者。
知ってた?
ねえ、キミ。
人はこんなにあったかい。
あたしは
キミに会いたかった。
キミしかいなくていい。
キミは先回りして
あたしを見て。
情けないあたしを
ただぎゅっと
ぎゅっとして。
そしたらあたし
なんにもいらない。
なんにも
いらないんだよ。
ずかずかと
あたしの心に土足で入ってきて。
あたしが
泣いても笑っても怒っても
出て行ったりしないで。
ねえ、キミ。
弱いキミが好きだよ。
泣き顔も好き。
誰もがキミを罵っても
あたしが側にいるから。
大丈夫、怖くないよ。
ねえ、キミ。
あたしは器用でも完璧でもなくて
いつもどうしたらいいかわかんなくて
もがいてて
さめざめ泣いたりする
臆病者。
知ってた?
ねえ、キミ。
人はこんなにあったかい。
あたしは
キミに会いたかった。
キミしかいなくていい。
キミは先回りして
あたしを見て。
情けないあたしを
ただぎゅっと
ぎゅっとして。
そしたらあたし
なんにもいらない。
なんにも
いらないんだよ。