夏が好き。
薄着。
虫の声。
風の心地よさ。
水の冷たさ。
解放される心。
去年の夏。
違う年下の男のコと
同じ公園に行った。
同じ場所で
同じ様に
出遭ったふたり。
ひとりはDJをしていて
サッカーをしているせいか
体格がとてもよく
端正な顔立ちをしていて。
少々神経質なのが
気になったけれど。
夜中にCDを作って持ってきてくれたり
海で星を見たり
あたしの大好きな図書館に行ったり
毎日電話やメールをくれたり
あたしを大切に想ってくれているようだった。
公園につくと
フリスビーをしたり
バトミントンしたり
笑い転げて
じゃれあって
すごく楽しかったはずなのに。
疲れてベンチに座るあたしは
遠い空を見てた。
その一ヶ月後。
もうひとりの子と公園へ。
その子は
MCをしているせいか
歌がとても上手で
悪戯な手と目と唇で
あたしを困惑させた。
前夜に大勢で花火をして
そのまま一緒に朝を迎え
二人きりで夜明けの公園へ。
小雨の中
彼は子犬のように駆け回って
突然居なくなったと思ったら
トンネルから出て来たり
おいでと手を差し伸べてくれたり
あたしをドキドキさせた。
そして
車に乗り込んだ
びしょぬれのふたり。
「つめた。」
「どれ?」
確認するのが
当たり前のように
笑いながら彼は
あたしに口付けた。
(離れたくない。)
首にしがみついて
舌を絡ませて
そっと開けたあたしの目には
その子しか映ってなかった。
二人とも
陽炎のように
消えてしまったけれど。
今でも大事な二人。
夏のあたしを
彩った二人。
薄着。
虫の声。
風の心地よさ。
水の冷たさ。
解放される心。
去年の夏。
違う年下の男のコと
同じ公園に行った。
同じ場所で
同じ様に
出遭ったふたり。
ひとりはDJをしていて
サッカーをしているせいか
体格がとてもよく
端正な顔立ちをしていて。
少々神経質なのが
気になったけれど。
夜中にCDを作って持ってきてくれたり
海で星を見たり
あたしの大好きな図書館に行ったり
毎日電話やメールをくれたり
あたしを大切に想ってくれているようだった。
公園につくと
フリスビーをしたり
バトミントンしたり
笑い転げて
じゃれあって
すごく楽しかったはずなのに。
疲れてベンチに座るあたしは
遠い空を見てた。
その一ヶ月後。
もうひとりの子と公園へ。
その子は
MCをしているせいか
歌がとても上手で
悪戯な手と目と唇で
あたしを困惑させた。
前夜に大勢で花火をして
そのまま一緒に朝を迎え
二人きりで夜明けの公園へ。
小雨の中
彼は子犬のように駆け回って
突然居なくなったと思ったら
トンネルから出て来たり
おいでと手を差し伸べてくれたり
あたしをドキドキさせた。
そして
車に乗り込んだ
びしょぬれのふたり。
「つめた。」
「どれ?」
確認するのが
当たり前のように
笑いながら彼は
あたしに口付けた。
(離れたくない。)
首にしがみついて
舌を絡ませて
そっと開けたあたしの目には
その子しか映ってなかった。
二人とも
陽炎のように
消えてしまったけれど。
今でも大事な二人。
夏のあたしを
彩った二人。
きたきたきた!
紅い日が。
真っ赤に染まる日が。
紅い液体を見ながら
立ちつくす。
どっと肩の力が抜け、放心。
これであの子とあたしを繋ぐものは
何もかも無くなったのだ。
解放されたのだ。
嬉しかった。
本当に嬉しかった。
でも
悲しかった。
あの子は冷たいというか
恋愛意識がとても薄っぺらで
あたしのほとんどに興味が無かった。
でも、時々。
ほんとに時々やきもちを妬いた。
その瞬間が果てしなく愛しかった。
同じ時間を費やす事はほとんど無く
遠出する事も昼間のデエトも行われず
あたしは不満の塊だった。
なのに、
あの子があたしを見つめた瞬間
あたしの手に触れた瞬間
クチヅケた瞬間
すべてが溶かし出されて、
知らぬ間に心のビーカーは
満たされてしまう。
気付いてなかった。
全く。
あたしは自分で思うより
うんとあの子が好きだった。
依存してたし
すべてが欲しかった。
なのに消えてしまった。
思い出すのは
甘えるあの子の仕草。
車に乗るとあたしの肩に頭を乗せる。
手をつなぐと指先をなぞる。
部屋に入ると1分1秒も離れなかった。
寝転ぶとすぐ後ろから抱き締めて、キス。
ねえ。
あたしのこと好きだった?
キミはお得意の言葉で答えるだろう。
「わからん」
それでもいい。
あたしは好きだった。
でも。
キミの未来だけは
死んでも見たくない。
キミの未来に
あたしは
居ないのだから。
紅い日が。
真っ赤に染まる日が。
紅い液体を見ながら
立ちつくす。
どっと肩の力が抜け、放心。
これであの子とあたしを繋ぐものは
何もかも無くなったのだ。
解放されたのだ。
嬉しかった。
本当に嬉しかった。
でも
悲しかった。
あの子は冷たいというか
恋愛意識がとても薄っぺらで
あたしのほとんどに興味が無かった。
でも、時々。
ほんとに時々やきもちを妬いた。
その瞬間が果てしなく愛しかった。
同じ時間を費やす事はほとんど無く
遠出する事も昼間のデエトも行われず
あたしは不満の塊だった。
なのに、
あの子があたしを見つめた瞬間
あたしの手に触れた瞬間
クチヅケた瞬間
すべてが溶かし出されて、
知らぬ間に心のビーカーは
満たされてしまう。
気付いてなかった。
全く。
あたしは自分で思うより
うんとあの子が好きだった。
依存してたし
すべてが欲しかった。
なのに消えてしまった。
思い出すのは
甘えるあの子の仕草。
車に乗るとあたしの肩に頭を乗せる。
手をつなぐと指先をなぞる。
部屋に入ると1分1秒も離れなかった。
寝転ぶとすぐ後ろから抱き締めて、キス。
ねえ。
あたしのこと好きだった?
キミはお得意の言葉で答えるだろう。
「わからん」
それでもいい。
あたしは好きだった。
でも。
キミの未来だけは
死んでも見たくない。
キミの未来に
あたしは
居ないのだから。
皆様、誰かにすがりついたことはありますか?
縋る(すがる)
一、(頼りにする人などの)体の部分などをつかまえて、
放すまいとする
二、(独立できなくて困っている人が)有力者や親切な人の
同情や援助を求めて、それに依存する。
あたしはあります。
すがりついたこと。
でも、それは一度だけと決めています。
「離れたくない」
そう伝えるチャンスは
自分の中で一度だけ。
それ以上してしまうと
自分が壊れてしまうと思うから。
「理性が働くだけでも強いよ。
あたしは知らないうちにすがっちゃう。
知らないうちに電話したり
メールしたりして後悔する。」
ももが言った。
強いのはももだと思った。
あたしは突き放されるのが怖いのだ。
返事が来ない事が怖いのだ。
分かり合えない事が怖いのだ。
それを受け止め、傷付き、
傷を抱え、何とか立ち上がり、
生きているももは
弱くて、もろく見えるかもしれない。
でも、強い。
自分の想いから決して逃げてない。
あたしだって声が聞きたい。
メールが、言葉が欲しい。
どんな方法でもいいから繋がってたい。
でも、一度の切符を使ってしまった。
アリシア・キース。
大学までの片道切符。
一緒に観た映画の券。
イベントのフライヤー。
煙草の吸殻。
レコード。
毛布の匂い。
こんなにあなたが残していったもの。
消せない
捨てれない
大切なもの。
昨日まで
あたしはあの子を引きずることを
恥ずかしい事だと思っていた。
一日も早く忘れて、
早く次の恋を見つけようと
焦っていた。
頑張ってた。
でも。
そんなことは無理なのだ。
あの子を忘れるなんて不可能。
いっぱい
いっぱい
大好きだった。
忘れることより
新しい恋を見つけるより
思い出に囲まれているほうが
あたしは幸せだ。
みじめだって
全然構わない。
この気持ちは
あたしがひとりの人間を
深く愛した証拠なのだから。
あたしが迎えた終わりは
決して穏やかではなかったけど
それでもいい。
あたしは今でも
あの子が好きだ。
いつか忘れて
誰かを
あの子以上に
愛するのかもしれない。
でも、今は
あの子が
好き。
それでいい。
自然に
忘れられる日が
きっとくる。
それまでは
いっぱい
いっぱい
思い出に
甘えよう。
いっぱい
いっぱい
すがってやる。
縋る(すがる)
一、(頼りにする人などの)体の部分などをつかまえて、
放すまいとする
二、(独立できなくて困っている人が)有力者や親切な人の
同情や援助を求めて、それに依存する。
あたしはあります。
すがりついたこと。
でも、それは一度だけと決めています。
「離れたくない」
そう伝えるチャンスは
自分の中で一度だけ。
それ以上してしまうと
自分が壊れてしまうと思うから。
「理性が働くだけでも強いよ。
あたしは知らないうちにすがっちゃう。
知らないうちに電話したり
メールしたりして後悔する。」
ももが言った。
強いのはももだと思った。
あたしは突き放されるのが怖いのだ。
返事が来ない事が怖いのだ。
分かり合えない事が怖いのだ。
それを受け止め、傷付き、
傷を抱え、何とか立ち上がり、
生きているももは
弱くて、もろく見えるかもしれない。
でも、強い。
自分の想いから決して逃げてない。
あたしだって声が聞きたい。
メールが、言葉が欲しい。
どんな方法でもいいから繋がってたい。
でも、一度の切符を使ってしまった。
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毛布の匂い。
こんなにあなたが残していったもの。
消せない
捨てれない
大切なもの。
昨日まで
あたしはあの子を引きずることを
恥ずかしい事だと思っていた。
一日も早く忘れて、
早く次の恋を見つけようと
焦っていた。
頑張ってた。
でも。
そんなことは無理なのだ。
あの子を忘れるなんて不可能。
いっぱい
いっぱい
大好きだった。
忘れることより
新しい恋を見つけるより
思い出に囲まれているほうが
あたしは幸せだ。
みじめだって
全然構わない。
この気持ちは
あたしがひとりの人間を
深く愛した証拠なのだから。
あたしが迎えた終わりは
決して穏やかではなかったけど
それでもいい。
あたしは今でも
あの子が好きだ。
いつか忘れて
誰かを
あの子以上に
愛するのかもしれない。
でも、今は
あの子が
好き。
それでいい。
自然に
忘れられる日が
きっとくる。
それまでは
いっぱい
いっぱい
思い出に
甘えよう。
いっぱい
いっぱい
すがってやる。
今日仕事が終わって髪を切りに行った。
着替えの途中で何ヶ月ぶりだろう、
香水をつけた。
お気に入りのグリーンティ。
あの子と付き合ってる時は
香水はつけなかった。
始めてひとつになったとき、
首筋をなめたあの子が
「苦い」
そう言ったから。
誰かと付き合うと
香水をつけなくなる。
相手のにおいがわからなくなるから。
ぎゅっと抱き締められて
自分のにおいと
相手のにおいが
ひとつになる瞬間が好きだ。
自分から香りたつ匂いに少し酔う。
ひとりになったんだと思った。
少し髪を短くして。
少し生まれ変われた気がした。
もう5年以上は担当してもらっているOさんと
恋愛について語り合う。
「ねえねえ。」
「はい?」
「ひとりになったときって誰か探したりする?」
「ううん。」
「何してるの?」
「ひとりのときしか出来ない事をめいっぱい楽しむ。」
あまりにも自然に彼女が言ったから
胸の中に風が通りぬけたような感覚。
そっか。
そんな方法もあるんだ。
ひとりなんて虚しい。
ひとりなんて寂しい。
ひとりなんて。
ひとりなんて。
そんなことばかり考えていた自分が
恥ずかしくなった。
美容室を出て、
寒さと清々しさで
気が引き締まった。
帰り道。
ぼーっとMDを流す。
聴き覚えのある曲。
信号で止まる。
ケンカした十字路。
涙が、
勝手にでてきた。
止まらなかった。
寂しいわけじゃないのに。
失ったものは
予想以上に
大きかったのかもしれない。
年の差なんて
関係なかった。
口ではね
「いつか別れるってわかってる」
なんてつよがり。
ほんとは
ずっと
ずっと
ずっと
一緒にいたかった。
てをつないで
ぎゅってだきついて
ほっぺすりよせて
ずっといたかった。
今日も
鳴らない携帯。
もう
きっと
絶対に
鳴らない。
でも、
思い出す。
思い出だけが
あたしに優しい。
10年来の親友、蜜から電話。
昨日も今日もなんて
めずらしい。
「どうしたの?」
「だって心配だったから」
あったかいな。
大事なもの
ここにも
見つけた。
着替えの途中で何ヶ月ぶりだろう、
香水をつけた。
お気に入りのグリーンティ。
あの子と付き合ってる時は
香水はつけなかった。
始めてひとつになったとき、
首筋をなめたあの子が
「苦い」
そう言ったから。
誰かと付き合うと
香水をつけなくなる。
相手のにおいがわからなくなるから。
ぎゅっと抱き締められて
自分のにおいと
相手のにおいが
ひとつになる瞬間が好きだ。
自分から香りたつ匂いに少し酔う。
ひとりになったんだと思った。
少し髪を短くして。
少し生まれ変われた気がした。
もう5年以上は担当してもらっているOさんと
恋愛について語り合う。
「ねえねえ。」
「はい?」
「ひとりになったときって誰か探したりする?」
「ううん。」
「何してるの?」
「ひとりのときしか出来ない事をめいっぱい楽しむ。」
あまりにも自然に彼女が言ったから
胸の中に風が通りぬけたような感覚。
そっか。
そんな方法もあるんだ。
ひとりなんて虚しい。
ひとりなんて寂しい。
ひとりなんて。
ひとりなんて。
そんなことばかり考えていた自分が
恥ずかしくなった。
美容室を出て、
寒さと清々しさで
気が引き締まった。
帰り道。
ぼーっとMDを流す。
聴き覚えのある曲。
信号で止まる。
ケンカした十字路。
涙が、
勝手にでてきた。
止まらなかった。
寂しいわけじゃないのに。
失ったものは
予想以上に
大きかったのかもしれない。
年の差なんて
関係なかった。
口ではね
「いつか別れるってわかってる」
なんてつよがり。
ほんとは
ずっと
ずっと
ずっと
一緒にいたかった。
てをつないで
ぎゅってだきついて
ほっぺすりよせて
ずっといたかった。
今日も
鳴らない携帯。
もう
きっと
絶対に
鳴らない。
でも、
思い出す。
思い出だけが
あたしに優しい。
10年来の親友、蜜から電話。
昨日も今日もなんて
めずらしい。
「どうしたの?」
「だって心配だったから」
あったかいな。
大事なもの
ここにも
見つけた。
深夜2時半。
最近猛アタックをかけてくるT君との電話中。
キャッチホン。
画面に映し出されるあの子。
「ごめん。また連絡する。」
すぐに切って電話にでた。
「もしもし」
「おお」
「藍人」
「うん。寝てた?」
「起きてた。」
「そっか」
あたしが
「藍人の気持ちが知りたい」と
メールしてから二日たっていた。
「なんでメールの返事くれなかったの?」
「なんて返していいかわかんなかった。」
「どう思ってるの?」
「わがままかもしれんけど、
僕は自由で、いい加減で、こんな自分を変えれやん。」
「うん。」
「もし、やり直すとしても、僕はこのままやで。」
「うん。」
「それでもいいの?」
「うん。」
「え?」
「それでもいい。」
藍人はあからさまに驚いていた。
まさかあたしが頷くとは思っていなかったようだ。
「それでもいいよ。
藍人と別れたくない。」
少しの間があって。
「僕は別れようと思ってた。
気持ちはそう簡単に変えられやん。」
今度はあたしが驚いた。
(僕は変われないけど
それでも付き合ってくれるの?)
と藍人は確認してるのだと思った。
違った。
あたしはバカだ。
早とちり。
(僕は変われないよ。
だから別れたいってもう一回言って。)
そう言いたかったのだ。
彼は。
「そっか・・・。わかった・・・。
あはは。もういいよ。」
「何それ。
なんでそんなにあっさりなん。」
「あっさりじゃないよ。
あたしは好きだけど藍人は無理なんでしょ?
納得するしかないじゃん。」
「ちょっと待ってよ。
落ち着いて。
今からすごく自分勝手なこと言うけど
黙って聞いて。」
「うん・・」
「僕はみつきちゃんとは付き合えない。
でも、今みたいに遊んだりしたい。」
「そんなの無理だよ」
「なんで?」
「だってそうじゃん。
あたしは藍人が好きなんだよ?
つらすぎるよ。」
「そっか・・・」
二人の想いが重ならない。
あんなに話してる事が
一緒に居る事が
幸せだったのに。
いつから
歯車は
狂い出していたのだろう。
「ねえ。藍人。」
「ん?」
「会えなくなってもね、一番に応援してる。
大切な人だし、すごく好きだよ。」
「あんた、いい子やな」
もう藍人はみつきちゃんとは言わなかった。
「じゃあね。ばいばい。」
電話を切ろうとした。
「ちょっと待ってよ。」
「なに?」
「そんな言葉いらん。」
「え?」
「今から会いに行くわ。」
「え?」
「会って話そう。」
「・・・今日は無理。家、出れないよ」
「そっか・・・急やもんな・・・」
もうだめだ。
耐えられない。
涙が
こぼれた。
「もういいよ。」
「え?」
「ハッキリ言ってよ。」
「・・・」
「やり直せないんでしょ?
なら仕方ないじゃん。
あたしは友達にもなれない。
でも、応援してるから。」
「ちょっと待ってって。
とりあえず今日は保留にしよう」
「なんで?もう無理だよ」
「もう混乱しとるで、僕もどうしたらいいかわからん」
黙り込む二人。
藍人。
ずるいよ。
付き合って縛られたくない。
責任も取りたくない。
でも、都合のいい時は会いたいなんて。
残酷だよ。
「僕さ」
「うん」
「こうみえてさみしがりややしな」
「友達いっぱいいるやん」
「おらんよ」
「おるよ」
「深く話せるやつとかおらんし・・・」
早く。
ゲームオーバーになれ。
あたしが負けないうちに。
「とりあえず会って話そう。」
「いつ?」
「んー日曜の夜」
「だめ。明日。」
「明日?わかった。」
「・・・ねえあいと。」
「ん?」
「あたしね、あんまりあいとに電話しなかったでしょ?」
「そうやっけ?」
「うん。メールばっかだった。それはね
怖かったんだ。忙しいって言われるのが。
重荷になりたくなかった。」
「・・・」
「でも、こうなるんだったら
もっと電話しとけばよかったな・・・」
「そんな思い出話いらん・・・」
「いらんことないよ」
「とにかく会ってはなそ」
「わかった。明日ね。」
「おやすみ」
「おやすみ」
電話は切れた。
なぜだろう。
全身が震えていた。
動悸が激しくて、吐き気がする。
考えた。
脳が擦り切れるくらい。
結果。
あたしは藍人と友達になろうと思った。
何も求めない、都合のいい、
触れ合えない友達に。
そして今日の朝、
「8時に」とメールした。
やっぱり返事はなかった。
そして約束の一時間前。
電話が鳴る。
(藍人だ)
嫌な予感がした。
「今日僕さ、無理やわ。」
「そっか。わかった。」
「うん。」
「ばいばい。」
「ばいばい。」
それだけ。
ごめんも。
何もなかった。
何も。
何も。
残らなかった。
大声あげて泣いてやろうかと
友達に電話して思いきり悪口を言おうかと
そう思ったけど。
ただ。
かわいそうな子だと思った。
人の気持ちを
軽くしか扱えない
可哀想な子だと。
あたしはようやく解放されたんだ。
あの子がかけた魔法から。
あの子は強力な魔法をかけていた。
その魔法は解こうとすると
途端に涙が溢れだし、
苦しいほどの孤独感に襲われるしくみになっていて。
解くのが怖くて仕方なかった。
でも、もう大丈夫。
孤独だけど。
寂しいけど。
もう、大丈夫。
キミが、そんな子だったなんて。
怒りを飛び越えて
哀しいよ。
ばいばい。
ほんとに。
ばいばい。
あいと。
最近猛アタックをかけてくるT君との電話中。
キャッチホン。
画面に映し出されるあの子。
「ごめん。また連絡する。」
すぐに切って電話にでた。
「もしもし」
「おお」
「藍人」
「うん。寝てた?」
「起きてた。」
「そっか」
あたしが
「藍人の気持ちが知りたい」と
メールしてから二日たっていた。
「なんでメールの返事くれなかったの?」
「なんて返していいかわかんなかった。」
「どう思ってるの?」
「わがままかもしれんけど、
僕は自由で、いい加減で、こんな自分を変えれやん。」
「うん。」
「もし、やり直すとしても、僕はこのままやで。」
「うん。」
「それでもいいの?」
「うん。」
「え?」
「それでもいい。」
藍人はあからさまに驚いていた。
まさかあたしが頷くとは思っていなかったようだ。
「それでもいいよ。
藍人と別れたくない。」
少しの間があって。
「僕は別れようと思ってた。
気持ちはそう簡単に変えられやん。」
今度はあたしが驚いた。
(僕は変われないけど
それでも付き合ってくれるの?)
と藍人は確認してるのだと思った。
違った。
あたしはバカだ。
早とちり。
(僕は変われないよ。
だから別れたいってもう一回言って。)
そう言いたかったのだ。
彼は。
「そっか・・・。わかった・・・。
あはは。もういいよ。」
「何それ。
なんでそんなにあっさりなん。」
「あっさりじゃないよ。
あたしは好きだけど藍人は無理なんでしょ?
納得するしかないじゃん。」
「ちょっと待ってよ。
落ち着いて。
今からすごく自分勝手なこと言うけど
黙って聞いて。」
「うん・・」
「僕はみつきちゃんとは付き合えない。
でも、今みたいに遊んだりしたい。」
「そんなの無理だよ」
「なんで?」
「だってそうじゃん。
あたしは藍人が好きなんだよ?
つらすぎるよ。」
「そっか・・・」
二人の想いが重ならない。
あんなに話してる事が
一緒に居る事が
幸せだったのに。
いつから
歯車は
狂い出していたのだろう。
「ねえ。藍人。」
「ん?」
「会えなくなってもね、一番に応援してる。
大切な人だし、すごく好きだよ。」
「あんた、いい子やな」
もう藍人はみつきちゃんとは言わなかった。
「じゃあね。ばいばい。」
電話を切ろうとした。
「ちょっと待ってよ。」
「なに?」
「そんな言葉いらん。」
「え?」
「今から会いに行くわ。」
「え?」
「会って話そう。」
「・・・今日は無理。家、出れないよ」
「そっか・・・急やもんな・・・」
もうだめだ。
耐えられない。
涙が
こぼれた。
「もういいよ。」
「え?」
「ハッキリ言ってよ。」
「・・・」
「やり直せないんでしょ?
なら仕方ないじゃん。
あたしは友達にもなれない。
でも、応援してるから。」
「ちょっと待ってって。
とりあえず今日は保留にしよう」
「なんで?もう無理だよ」
「もう混乱しとるで、僕もどうしたらいいかわからん」
黙り込む二人。
藍人。
ずるいよ。
付き合って縛られたくない。
責任も取りたくない。
でも、都合のいい時は会いたいなんて。
残酷だよ。
「僕さ」
「うん」
「こうみえてさみしがりややしな」
「友達いっぱいいるやん」
「おらんよ」
「おるよ」
「深く話せるやつとかおらんし・・・」
早く。
ゲームオーバーになれ。
あたしが負けないうちに。
「とりあえず会って話そう。」
「いつ?」
「んー日曜の夜」
「だめ。明日。」
「明日?わかった。」
「・・・ねえあいと。」
「ん?」
「あたしね、あんまりあいとに電話しなかったでしょ?」
「そうやっけ?」
「うん。メールばっかだった。それはね
怖かったんだ。忙しいって言われるのが。
重荷になりたくなかった。」
「・・・」
「でも、こうなるんだったら
もっと電話しとけばよかったな・・・」
「そんな思い出話いらん・・・」
「いらんことないよ」
「とにかく会ってはなそ」
「わかった。明日ね。」
「おやすみ」
「おやすみ」
電話は切れた。
なぜだろう。
全身が震えていた。
動悸が激しくて、吐き気がする。
考えた。
脳が擦り切れるくらい。
結果。
あたしは藍人と友達になろうと思った。
何も求めない、都合のいい、
触れ合えない友達に。
そして今日の朝、
「8時に」とメールした。
やっぱり返事はなかった。
そして約束の一時間前。
電話が鳴る。
(藍人だ)
嫌な予感がした。
「今日僕さ、無理やわ。」
「そっか。わかった。」
「うん。」
「ばいばい。」
「ばいばい。」
それだけ。
ごめんも。
何もなかった。
何も。
何も。
残らなかった。
大声あげて泣いてやろうかと
友達に電話して思いきり悪口を言おうかと
そう思ったけど。
ただ。
かわいそうな子だと思った。
人の気持ちを
軽くしか扱えない
可哀想な子だと。
あたしはようやく解放されたんだ。
あの子がかけた魔法から。
あの子は強力な魔法をかけていた。
その魔法は解こうとすると
途端に涙が溢れだし、
苦しいほどの孤独感に襲われるしくみになっていて。
解くのが怖くて仕方なかった。
でも、もう大丈夫。
孤独だけど。
寂しいけど。
もう、大丈夫。
キミが、そんな子だったなんて。
怒りを飛び越えて
哀しいよ。
ばいばい。
ほんとに。
ばいばい。
あいと。
今日はももとおでかけ。
ランチして。
初売り行って。
カラオケして。
夜はばんびとばんびの男友達が合流して
飲み会、カラオケ。
解散のとき、
携帯番号を交換したのだけど。
彼女持ちの男の子が
「また電話するね」
と軽く言ったので
「うん。してして。」
と愛想笑いをした。
それを見てたばんびが
後でこっそり
「先輩、気をつけて」
「ん?なんで?」
「あの子、あーやってなんでもないフリして
前にあたしの友達引っ掛けたから。」
「あ、そうなんや。」
彼とどうこうなるつもりなんて
さらさらない。
そんなの気持ち悪い。
でもまあ、暇つぶしに
大勢で遊びたいなとは思うけど。
帰って
ベットに寝転んで
携帯を見る。
藍人からの
連絡は無い。
(残酷だな・・・)
ふとそう思った。
でも、藍人からしてみたら
遊びたいという気持ちを素直に言っただけなのに
「バイバイ」
と言ったあたしの方が
残酷だったのかもしれない。
あたしは未練だらけだ。
戻ってきて欲しい。
そう思ってる。
「ただいま。」
って笑って欲しい。
寂しい。
ぎゅってしてほしい。
他の誰かにじゃない。
あいとに。
でもね。
そう思ってるだけでいい。
自分から連絡したりしない。
おかしいのかもしれないけど。
あいととの思い出を
思い出すだけですごく幸せ。
それだけでいい。
なんでかな。
それだけでいいなんて。
ほんとは
側に居て欲しいのに。
ああ。
また涙出る。
生理こないかな。
不安定マシーンだ。
あたし、
どうしたらいいの。
ランチして。
初売り行って。
カラオケして。
夜はばんびとばんびの男友達が合流して
飲み会、カラオケ。
解散のとき、
携帯番号を交換したのだけど。
彼女持ちの男の子が
「また電話するね」
と軽く言ったので
「うん。してして。」
と愛想笑いをした。
それを見てたばんびが
後でこっそり
「先輩、気をつけて」
「ん?なんで?」
「あの子、あーやってなんでもないフリして
前にあたしの友達引っ掛けたから。」
「あ、そうなんや。」
彼とどうこうなるつもりなんて
さらさらない。
そんなの気持ち悪い。
でもまあ、暇つぶしに
大勢で遊びたいなとは思うけど。
帰って
ベットに寝転んで
携帯を見る。
藍人からの
連絡は無い。
(残酷だな・・・)
ふとそう思った。
でも、藍人からしてみたら
遊びたいという気持ちを素直に言っただけなのに
「バイバイ」
と言ったあたしの方が
残酷だったのかもしれない。
あたしは未練だらけだ。
戻ってきて欲しい。
そう思ってる。
「ただいま。」
って笑って欲しい。
寂しい。
ぎゅってしてほしい。
他の誰かにじゃない。
あいとに。
でもね。
そう思ってるだけでいい。
自分から連絡したりしない。
おかしいのかもしれないけど。
あいととの思い出を
思い出すだけですごく幸せ。
それだけでいい。
なんでかな。
それだけでいいなんて。
ほんとは
側に居て欲しいのに。
ああ。
また涙出る。
生理こないかな。
不安定マシーンだ。
あたし、
どうしたらいいの。
昨日どうしようもなくて。
メールしてしまった。
まだ好きだし。
大切だし。
って。
キミはどう思ってるの?
って。
返事はこない。
ばんびに話すと
「絶対返事くるよー。
いつもそうじゃん。
藍ちゃんの中では、先輩のこと
終わってないと思うよ。」
と言われた。
うん。
何となく。
返事はくるのかもしれない。
絶対くるって思って待つのは
怖いのだけど。
ねえ。
藍人。
もう期待しないよ。
キミを求めたりしない。
例えそうしたくなっても
もうしないよ。
海の底で考える事は
光っているキミの翼。
どこまでも
飛んでいけばいい。
もういいの。
藍人。
ありがと。
いっぱい笑わせてくれた。
いっぱい気持ちよくしてくれた。
いっぱい怒らせて、泣かせてくれた。
いつもいっぱいいっぱい
どきどきさせてくれた。
ありがと。
ありがと。
あたしは
お礼に
自由を
あげる。
すごく
すごく
大好きだったよ。
藍人。
メールしてしまった。
まだ好きだし。
大切だし。
って。
キミはどう思ってるの?
って。
返事はこない。
ばんびに話すと
「絶対返事くるよー。
いつもそうじゃん。
藍ちゃんの中では、先輩のこと
終わってないと思うよ。」
と言われた。
うん。
何となく。
返事はくるのかもしれない。
絶対くるって思って待つのは
怖いのだけど。
ねえ。
藍人。
もう期待しないよ。
キミを求めたりしない。
例えそうしたくなっても
もうしないよ。
海の底で考える事は
光っているキミの翼。
どこまでも
飛んでいけばいい。
もういいの。
藍人。
ありがと。
いっぱい笑わせてくれた。
いっぱい気持ちよくしてくれた。
いっぱい怒らせて、泣かせてくれた。
いつもいっぱいいっぱい
どきどきさせてくれた。
ありがと。
ありがと。
あたしは
お礼に
自由を
あげる。
すごく
すごく
大好きだったよ。
藍人。
あけましておめでとうございます。
新年のご挨拶はちゃんとしましょうね。
子どもに言い聞かせているみつきですです。
仕事始めはまだですが
子どもからたくさん年賀状が来て
返事だけでも泣きそうな新年。
まあ。
これは恋愛日記なので
去年のあたしの恋愛を振り返ると。
2月下旬〜7月上旬
友達の男の子がご飯のときに連れてきた彼に
あたしがひとめぼれ。
猛アタックの末付き合うも
影で前好きだった子と密会していたため
自分から別れを告げる。
付き合ってる時はとてつもなく冷たかったくせに
別れた途端優しくなり、
未だに言い寄ってくる未練がましい男である。
7月上旬〜大晦日
幼なじみのイベントで
あたしがひとめぼれ。
成人してるとばかり思っていたが未成年と発覚!
年の差に負けず付き合い始めたものの
価値観の違いに耐え切れず
あたしから別れを告げる。
別れたか別れていないかハッキリしていないというのに
音信不通になり、
新年早々「あけましておめでとう」のみメールしてきた
単細胞である。
二人に共通して言えること。
それは出会いから付き合うまでに
1ヶ月ないということ。
あたしは直感を信じるタイプで
とても熱しやすい。
沸騰の状態から恋愛が始まるので
あとは冷めていくのみなのが
続かない原因なのかもしれない。
引き算恋愛。
好きになった人は100点持っていて。
悪い事があれば減点、減点、減点。
いつのまにか自分でゲームオーバーの判定を
出している。
相手を認められない。
相手に期待できない。
相手を信じられない。
そんなあたしは
バカで
弱くて
愚かだと思う。
でも、二人との恋愛は
決して無駄ではなかった。
隠れ密会男君は
深く思い続ければ知らないうちに相手の心に入り込み
きちんと思ってもらえるようになることを教えてくれた。
藍人は
藍人は・・・
んーあの子はなんだろう。
あの子はね、
最初ほんっとに無茶苦茶だった。
車に乗せてもらうのは当たり前。
おごってもらいたがる。
Hは道具を使いたがる。
デートはHだけ。
などなど。
それをね、ぜーんぶ「間違ってる」って
教えた恋愛だったな。
あたしが教えてあげたんだ。
うん。
「付き合った時点で二人は対等だよ」って。
まあ、いい男に完成するまでに
破局してしまったわけだけど。
これでよかったのかもしれない。
まだ傷は浅い。
それに
藍人は
あたしのことが
めんどくさくなってたから。
そんなの付き合っている意味がない。
「付き合ってるってなんなの?」
よくあの子は聞いてきた。
あたしも、
そう言われるとよくわからない。
でも、一種の契約なんじゃないかと思う。
この契約を交わすと
相手がまるで自分のものになったような
幸せな気持ちになる。
それを味わうための契約。
でも、藍人はそんな契約必要ないのだ。
あたしはどこまでも自由でいいし、
自分も自由でいたい。
あたしと過ごしてもいいし、過ごさなくてもいい。
そんな彼との恋愛は不成立だ。
付き合うということは
少しでも相手を
「独占したい」と願う事。
今年はゆったりいきたいなと。
ジェットコースターロマンスは疲れましたです。
次はほんと
じゃれあったり
電話で盛り上がったり
ケンカしてもキスして仲直りしたり
イヤな面も受け止めながら
側にいれるような。
そんなゆーったりした恋愛する。
絶対する。
なんか出来る気がする。
この自信はなんなのだろう。
とりあえず
スキップだい。
新年のご挨拶はちゃんとしましょうね。
子どもに言い聞かせているみつきですです。
仕事始めはまだですが
子どもからたくさん年賀状が来て
返事だけでも泣きそうな新年。
まあ。
これは恋愛日記なので
去年のあたしの恋愛を振り返ると。
2月下旬〜7月上旬
友達の男の子がご飯のときに連れてきた彼に
あたしがひとめぼれ。
猛アタックの末付き合うも
影で前好きだった子と密会していたため
自分から別れを告げる。
付き合ってる時はとてつもなく冷たかったくせに
別れた途端優しくなり、
未だに言い寄ってくる未練がましい男である。
7月上旬〜大晦日
幼なじみのイベントで
あたしがひとめぼれ。
成人してるとばかり思っていたが未成年と発覚!
年の差に負けず付き合い始めたものの
価値観の違いに耐え切れず
あたしから別れを告げる。
別れたか別れていないかハッキリしていないというのに
音信不通になり、
新年早々「あけましておめでとう」のみメールしてきた
単細胞である。
二人に共通して言えること。
それは出会いから付き合うまでに
1ヶ月ないということ。
あたしは直感を信じるタイプで
とても熱しやすい。
沸騰の状態から恋愛が始まるので
あとは冷めていくのみなのが
続かない原因なのかもしれない。
引き算恋愛。
好きになった人は100点持っていて。
悪い事があれば減点、減点、減点。
いつのまにか自分でゲームオーバーの判定を
出している。
相手を認められない。
相手に期待できない。
相手を信じられない。
そんなあたしは
バカで
弱くて
愚かだと思う。
でも、二人との恋愛は
決して無駄ではなかった。
隠れ密会男君は
深く思い続ければ知らないうちに相手の心に入り込み
きちんと思ってもらえるようになることを教えてくれた。
藍人は
藍人は・・・
んーあの子はなんだろう。
あの子はね、
最初ほんっとに無茶苦茶だった。
車に乗せてもらうのは当たり前。
おごってもらいたがる。
Hは道具を使いたがる。
デートはHだけ。
などなど。
それをね、ぜーんぶ「間違ってる」って
教えた恋愛だったな。
あたしが教えてあげたんだ。
うん。
「付き合った時点で二人は対等だよ」って。
まあ、いい男に完成するまでに
破局してしまったわけだけど。
これでよかったのかもしれない。
まだ傷は浅い。
それに
藍人は
あたしのことが
めんどくさくなってたから。
そんなの付き合っている意味がない。
「付き合ってるってなんなの?」
よくあの子は聞いてきた。
あたしも、
そう言われるとよくわからない。
でも、一種の契約なんじゃないかと思う。
この契約を交わすと
相手がまるで自分のものになったような
幸せな気持ちになる。
それを味わうための契約。
でも、藍人はそんな契約必要ないのだ。
あたしはどこまでも自由でいいし、
自分も自由でいたい。
あたしと過ごしてもいいし、過ごさなくてもいい。
そんな彼との恋愛は不成立だ。
付き合うということは
少しでも相手を
「独占したい」と願う事。
今年はゆったりいきたいなと。
ジェットコースターロマンスは疲れましたです。
次はほんと
じゃれあったり
電話で盛り上がったり
ケンカしてもキスして仲直りしたり
イヤな面も受け止めながら
側にいれるような。
そんなゆーったりした恋愛する。
絶対する。
なんか出来る気がする。
この自信はなんなのだろう。
とりあえず
スキップだい。
返事がきた。
あたし「あたしたちどうなったんかな?」
あいと「わからん」
あたし「そっか」
あいと「でも別れたいんやろ?」
あたし「あいとがひどいことするならやだ」
子どものケンカと思われますか。
子どものケンカですめばよいのですが。
返事なく、年始を迎えそうです。
焦ってもよいこと無し。
来年の目標として
ちゃんと避妊します。
んー。
意味不明。
では、皆様よいお年を。
ピース。
あたし「あたしたちどうなったんかな?」
あいと「わからん」
あたし「そっか」
あいと「でも別れたいんやろ?」
あたし「あいとがひどいことするならやだ」
子どものケンカと思われますか。
子どものケンカですめばよいのですが。
返事なく、年始を迎えそうです。
焦ってもよいこと無し。
来年の目標として
ちゃんと避妊します。
んー。
意味不明。
では、皆様よいお年を。
ピース。
あたしが大泣きしてるとき
藍人は呆れたり、怒ったり
決してしなかった。
困ったように笑って、焦って。
「もう泣くのをやめろ」なんて
言わなかった。
泣いてる間中、
ずっと困ってた、焦ってた。
その姿を見て
もっともっと
泣けてきた。
もっとひどいやつだったら
呆れて煙草に火をつけるような
イライラをぶつけるようなやつだったら
藍人は違った。
頭でも
手でも
足でも
どこかしら触って
「よしよし」
となだめてた。
泣き止んだものの
ひっくひっくが止まらず
深呼吸で息を整えていると
「こっち見てよ」
と言った。
見れない
「僕は見てるよ」
でも
見れない
ひらひら
何かが動いた
瞬間、
藍人の方を見てしまう
それは藍人の手だった
目が合う
「ほら。見れたじゃん」
藍人の目がすごくキレイで
すぐにそらしてしまった。
いつもそうだ。
その無邪気さと無防備な心で
君はあたしを支配してしまう。
あたしはきっとまだ
殻の中に居て
君のノックを
待つことしかできなくて
強いフリをしているだけなんだ
ひらひら
手を動かして
いつも
サインをだして
あたしがあなたを
見失わないように
藍人は呆れたり、怒ったり
決してしなかった。
困ったように笑って、焦って。
「もう泣くのをやめろ」なんて
言わなかった。
泣いてる間中、
ずっと困ってた、焦ってた。
その姿を見て
もっともっと
泣けてきた。
もっとひどいやつだったら
呆れて煙草に火をつけるような
イライラをぶつけるようなやつだったら
藍人は違った。
頭でも
手でも
足でも
どこかしら触って
「よしよし」
となだめてた。
泣き止んだものの
ひっくひっくが止まらず
深呼吸で息を整えていると
「こっち見てよ」
と言った。
見れない
「僕は見てるよ」
でも
見れない
ひらひら
何かが動いた
瞬間、
藍人の方を見てしまう
それは藍人の手だった
目が合う
「ほら。見れたじゃん」
藍人の目がすごくキレイで
すぐにそらしてしまった。
いつもそうだ。
その無邪気さと無防備な心で
君はあたしを支配してしまう。
あたしはきっとまだ
殻の中に居て
君のノックを
待つことしかできなくて
強いフリをしているだけなんだ
ひらひら
手を動かして
いつも
サインをだして
あたしがあなたを
見失わないように
わかりあうということ
2004年12月31日 恋愛昨日の朝。
目覚めたあたしに
携帯は冷たかった。
何も考えないように
実家の大掃除に没頭する。
こんなとき
家族はあったかい。
母上には藍人の存在は知らせてない。
だから彼の居ない世界を作り上げてくれる。
まるで
始めから
居ないかのように。
大掃除が一段落して
急な睡魔に襲われた。
目覚めると
やっぱり
携帯は
冷たくて
ももにメール。
彼氏に最悪のフラレ方をしたももは
あたし以上にへこんでいて、
「こうなったら
イベント行って
踊り明かそう!」
と連れ出してくれた。
でも、行ったイベントは
果てしなく怪しく
閑散としていて
その場に居る事さえ
苦痛なものだったため
すぐ車に乗り込んだ。
「あーあ。
神様って意地悪。
一番どん底まであたしを連れてこうとする。」
「ももー。
ごめん。
あたし、なんか笑える。」
年末、女二人が年下男の手にかかって
こんなに苦しいだなんて。
笑わずにはいられなかった。
「あれ?
先輩、携帯光ってる。」
「ん?」
(藍人だ)
「もしもし」
「おっす」
「おっす・・・」
「昨日はイベント来てくれてありがとな」
「うん」
「あー、疲れた!」
「何してたん?」
「今、帰ってきた。」
「そっか。」
「みつきちゃんは?」
「あたし、ももとイベント行ってたんやけど
最悪で帰ってきた。」
「どこ?」
「○○」
「ああ、そこやばいで。
危ないから行かんほうがいい。」
「そっか。」
「今、友達と一緒なんやな。」
「うん。」
「何か冷たいと思ったわ。
じゃあ僕もう寝るわ。」
「うん。おやすみ。」
よかったねー!とはしゃぐももの声を聞きながら放心。
何で普通なの
あたしが考えすぎなの
ももを送り届けた後、
藍人に電話。
「ねえ。あそぼ。」
「んー。いいよ。」
すでに寝てた様子。
でもあたしのうちに拉致。
テレビを見てたら
首筋、鎖骨を舐めてくる。
時間をかけて
ゆっくり
ゆっくり
いつもより
夢中になってる
ああ
飲み込まれる
終わった後
携帯を見てる藍人
数秒後
「僕、帰るわ」
耳を疑った。
「そっか・・・」
やっと出た言葉と一緒に
あたしは大号泣していた。
それはもう今までにないくらい。
「もう帰れ、帰れ。
送ってあげるわ。
さっさと帰って。
だいっきらい。
二度と会いたくない。
ばかやろう。」
ありったけの言葉を
ボロボロ泣きながら
投げ付けた。
「どうしたん?
なんで?
え?
え?」
焦ってる。
「もういい。
もういいよ。
帰れ。
帰れ。
帰れ。」
「わかった。
帰るから。
理由だけ聞かせて。」
「・・・昨日、女の子に
番号聞いててさ。
不安になって帰って。
今日会えるのすごく嬉しかったのに
やったらバイバイって何よ、それ。
バカにしてんの?
ふざけんな。
ばか。」
「ごめん。
違うって。
イイワケしてもいい?」
そこから藍人は30分以上かけて
ゆっくりじっくり
言葉を選んで
自分の気持ちを話してきた。
女の子は幼なじみで
ダンサーをしてるらしく
イベントに出てもらうために
番号を聞いたこと。
他の知らない子のは
聞いてないということ。
でも、これからも
イベントに来てもらうためには
いろんな人と交換するということ。
あたしと居る時間より
友達と何かを作り上げている時間のほうが
大切に思うということ。
あたしといると
自分が置いてかれるようで
焦ってしまうということ。
話しを聞いているあたしは
とても冷静になっていた。
「俺、まだ子どもなんやな。
ごめんな。」
藍人はそう締めくくった。
「そっか。
わかった。
もういいよ。」
「何がもういいの?」
「もう、バイバイだね。」
「なんで?」
「あたしは藍人が好きやから会いたいし、
会ってたら楽しいし、安心する。
だから付き合いたいの。
なのに藍人はあたしといるとつらいんでしょ?
毎日会ってって言ってないじゃん。
ほんの少しでいいのに、
その時間だけでもあたしのこと見て欲しいし、
考えて欲しいのに。
他の事考えてしまうなんてイヤ。
あたしの気持ちは間違ってない。」
「間違ってないけど、
考えてしまうのはどうしようもないよ。」
「だから、わかったってば。
もういいよ。」
「もういいとかやめようよ。」
「じゃあ、どうしたらいいの。」
「もし別れたとしても、今みたいな関係でいたい。」
「そんなのずるい。」
「なんで?」
「あたしは藍人のこと忘れたいもん。」
「なんでなん。そんなん無意味やわ。」
「それはあたしが決めることやん。」
「また泣きそうになる・・・
お茶飲んで落ち着きなって。」
ごくん
ほんとはのどがカラカラだった。
涙と言葉ですべての水分が奪われていた。
藍人
欲しいもの
わかっちゃうの?
お茶を飲んだら
何だか
笑えた
「なんやねん。
お前。
泣いたり、笑ったり
おかしいわ。」
苦笑いして、頭をたたいてくる。
「こてーん」
少し考えるのに疲れたあたしは
藍人の膝に頭を乗せた。
藍人は10分ほど黙りこんだ。
「僕はな、みつきちゃんのこと好きやよ。
でも、他の事考えてしまうことは否定できやん。
みつきちゃんの気持ちもよくわかる。
やからこれからはさ、本音をさらけだしてこうぜ。」
「???」
「まとめてないよな・・・」
「うん。
だからどうするの?」
「だから僕はみつきちゃんのこと好きなんやって。」
「そっか。」
半年付き合ってて
初めて言われた。
「好き」って言葉。
「もう寝ようぜ。」
「一緒に?」
「まだ付き合ってるやろ?」
「そっか・・・」
いつものように抱っこしてくれる。
イベントのこと
メンバーのこと
音楽のこと
いつもより
たくさん
話してくれる
そして
いつのまにか
二人とも
眠ってしまった
朝起きて。
大晦日。
藍人は年越しのイベント。
あたしは家族で。
早起きして
藍人を家まで送る。
「寒いなー」
「うん」
ほとんどない会話。
あたしはこの人を
失うのだろうか。
車を降りるとき
「ありがとう」
「うん。今日頑張ってね」
「おう」
「よいお年を」
「よいお年を」
別れた。
直後にメールが
「昨日はごめん。
よいお年を」
返信
「あたしたちどうなったのかな?」
やっぱり
返事はこないのだ
目覚めたあたしに
携帯は冷たかった。
何も考えないように
実家の大掃除に没頭する。
こんなとき
家族はあったかい。
母上には藍人の存在は知らせてない。
だから彼の居ない世界を作り上げてくれる。
まるで
始めから
居ないかのように。
大掃除が一段落して
急な睡魔に襲われた。
目覚めると
やっぱり
携帯は
冷たくて
ももにメール。
彼氏に最悪のフラレ方をしたももは
あたし以上にへこんでいて、
「こうなったら
イベント行って
踊り明かそう!」
と連れ出してくれた。
でも、行ったイベントは
果てしなく怪しく
閑散としていて
その場に居る事さえ
苦痛なものだったため
すぐ車に乗り込んだ。
「あーあ。
神様って意地悪。
一番どん底まであたしを連れてこうとする。」
「ももー。
ごめん。
あたし、なんか笑える。」
年末、女二人が年下男の手にかかって
こんなに苦しいだなんて。
笑わずにはいられなかった。
「あれ?
先輩、携帯光ってる。」
「ん?」
(藍人だ)
「もしもし」
「おっす」
「おっす・・・」
「昨日はイベント来てくれてありがとな」
「うん」
「あー、疲れた!」
「何してたん?」
「今、帰ってきた。」
「そっか。」
「みつきちゃんは?」
「あたし、ももとイベント行ってたんやけど
最悪で帰ってきた。」
「どこ?」
「○○」
「ああ、そこやばいで。
危ないから行かんほうがいい。」
「そっか。」
「今、友達と一緒なんやな。」
「うん。」
「何か冷たいと思ったわ。
じゃあ僕もう寝るわ。」
「うん。おやすみ。」
よかったねー!とはしゃぐももの声を聞きながら放心。
何で普通なの
あたしが考えすぎなの
ももを送り届けた後、
藍人に電話。
「ねえ。あそぼ。」
「んー。いいよ。」
すでに寝てた様子。
でもあたしのうちに拉致。
テレビを見てたら
首筋、鎖骨を舐めてくる。
時間をかけて
ゆっくり
ゆっくり
いつもより
夢中になってる
ああ
飲み込まれる
終わった後
携帯を見てる藍人
数秒後
「僕、帰るわ」
耳を疑った。
「そっか・・・」
やっと出た言葉と一緒に
あたしは大号泣していた。
それはもう今までにないくらい。
「もう帰れ、帰れ。
送ってあげるわ。
さっさと帰って。
だいっきらい。
二度と会いたくない。
ばかやろう。」
ありったけの言葉を
ボロボロ泣きながら
投げ付けた。
「どうしたん?
なんで?
え?
え?」
焦ってる。
「もういい。
もういいよ。
帰れ。
帰れ。
帰れ。」
「わかった。
帰るから。
理由だけ聞かせて。」
「・・・昨日、女の子に
番号聞いててさ。
不安になって帰って。
今日会えるのすごく嬉しかったのに
やったらバイバイって何よ、それ。
バカにしてんの?
ふざけんな。
ばか。」
「ごめん。
違うって。
イイワケしてもいい?」
そこから藍人は30分以上かけて
ゆっくりじっくり
言葉を選んで
自分の気持ちを話してきた。
女の子は幼なじみで
ダンサーをしてるらしく
イベントに出てもらうために
番号を聞いたこと。
他の知らない子のは
聞いてないということ。
でも、これからも
イベントに来てもらうためには
いろんな人と交換するということ。
あたしと居る時間より
友達と何かを作り上げている時間のほうが
大切に思うということ。
あたしといると
自分が置いてかれるようで
焦ってしまうということ。
話しを聞いているあたしは
とても冷静になっていた。
「俺、まだ子どもなんやな。
ごめんな。」
藍人はそう締めくくった。
「そっか。
わかった。
もういいよ。」
「何がもういいの?」
「もう、バイバイだね。」
「なんで?」
「あたしは藍人が好きやから会いたいし、
会ってたら楽しいし、安心する。
だから付き合いたいの。
なのに藍人はあたしといるとつらいんでしょ?
毎日会ってって言ってないじゃん。
ほんの少しでいいのに、
その時間だけでもあたしのこと見て欲しいし、
考えて欲しいのに。
他の事考えてしまうなんてイヤ。
あたしの気持ちは間違ってない。」
「間違ってないけど、
考えてしまうのはどうしようもないよ。」
「だから、わかったってば。
もういいよ。」
「もういいとかやめようよ。」
「じゃあ、どうしたらいいの。」
「もし別れたとしても、今みたいな関係でいたい。」
「そんなのずるい。」
「なんで?」
「あたしは藍人のこと忘れたいもん。」
「なんでなん。そんなん無意味やわ。」
「それはあたしが決めることやん。」
「また泣きそうになる・・・
お茶飲んで落ち着きなって。」
ごくん
ほんとはのどがカラカラだった。
涙と言葉ですべての水分が奪われていた。
藍人
欲しいもの
わかっちゃうの?
お茶を飲んだら
何だか
笑えた
「なんやねん。
お前。
泣いたり、笑ったり
おかしいわ。」
苦笑いして、頭をたたいてくる。
「こてーん」
少し考えるのに疲れたあたしは
藍人の膝に頭を乗せた。
藍人は10分ほど黙りこんだ。
「僕はな、みつきちゃんのこと好きやよ。
でも、他の事考えてしまうことは否定できやん。
みつきちゃんの気持ちもよくわかる。
やからこれからはさ、本音をさらけだしてこうぜ。」
「???」
「まとめてないよな・・・」
「うん。
だからどうするの?」
「だから僕はみつきちゃんのこと好きなんやって。」
「そっか。」
半年付き合ってて
初めて言われた。
「好き」って言葉。
「もう寝ようぜ。」
「一緒に?」
「まだ付き合ってるやろ?」
「そっか・・・」
いつものように抱っこしてくれる。
イベントのこと
メンバーのこと
音楽のこと
いつもより
たくさん
話してくれる
そして
いつのまにか
二人とも
眠ってしまった
朝起きて。
大晦日。
藍人は年越しのイベント。
あたしは家族で。
早起きして
藍人を家まで送る。
「寒いなー」
「うん」
ほとんどない会話。
あたしはこの人を
失うのだろうか。
車を降りるとき
「ありがとう」
「うん。今日頑張ってね」
「おう」
「よいお年を」
「よいお年を」
別れた。
直後にメールが
「昨日はごめん。
よいお年を」
返信
「あたしたちどうなったのかな?」
やっぱり
返事はこないのだ
どうしたらいいのでしょう
2004年12月30日 恋愛最高の年末に
なると思ってたのに
しようと思ってたのに
酔っ払って
女の子と携帯番号を交換する
貴方
「もう帰るね」
飛び出してしまった
肩を掴まれる
振りほどく
でもドアの側まで
追いかけてきた
「もう少しだし、いなよ」
「うん」
うなづいてみせただけ
ほんとのことは告げないまま
あたしは車に乗り込んだ。
「彼女の前で堂々と番号交換するあたり
何にもない証拠だよ。
影でコソコソしてるほうが
どうかと思うけど。」
「学生には学生のノリっていうのがあるんだよ。
叱り飛ばして、理解してあげなよ。」
「もうダメかもっていうけど、
ダメにしてるのはみつきだと思う。
信じてないんだよ。
みつきは。」
ドウヤッテ
ナニヲ
シンジルノ
あれから一切連絡をくれない
あの人の
何を。
「もうダメかもしれない。」
前にもこんなことがあった。
彼はとても酔っ払っていて
あたしが連れていった友達が
その場に居た男友達とコンパしようという
話になって。
「俺も行く」
と言った彼にキレた。
怒って帰ったあたしに
彼はすぐメールをくれた。
「ほんとにごめんね」
と何回も謝ったメールを。
彼は悪くないのかもしれない。
悪気があって交換したわけじゃないって
わかってる。
でも、それを叱り飛ばす勇気も
大きな心で理解することも
あたしには出来なくて。
逃げ出してしまったあたしには
罰が待っているのかもしれない。
もし、別れを告げられたら
あたしはすがるのだろうか。
別れを告げられるだけ良いのかもしれない。
このままずっと連絡がなかったら
見えない牢屋に閉じ込められて
あの人を想うのだろうか。
「彼に依存しすぎている」
依存しない
自立した
大人の
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そんなもの
存在するのだろうか
あるのだろう、きっと
昨日のために買ったワンピース
昨日のために作ったネイル
何やってんだ。
でも。
バカでいい。
何回も
失敗して
失敗して
失敗して
傷だらけになっても
立ち上がる勇気だけは
持ってるんだから
なると思ってたのに
しようと思ってたのに
酔っ払って
女の子と携帯番号を交換する
貴方
「もう帰るね」
飛び出してしまった
肩を掴まれる
振りほどく
でもドアの側まで
追いかけてきた
「もう少しだし、いなよ」
「うん」
うなづいてみせただけ
ほんとのことは告げないまま
あたしは車に乗り込んだ。
「彼女の前で堂々と番号交換するあたり
何にもない証拠だよ。
影でコソコソしてるほうが
どうかと思うけど。」
「学生には学生のノリっていうのがあるんだよ。
叱り飛ばして、理解してあげなよ。」
「もうダメかもっていうけど、
ダメにしてるのはみつきだと思う。
信じてないんだよ。
みつきは。」
ドウヤッテ
ナニヲ
シンジルノ
あれから一切連絡をくれない
あの人の
何を。
「もうダメかもしれない。」
前にもこんなことがあった。
彼はとても酔っ払っていて
あたしが連れていった友達が
その場に居た男友達とコンパしようという
話になって。
「俺も行く」
と言った彼にキレた。
怒って帰ったあたしに
彼はすぐメールをくれた。
「ほんとにごめんね」
と何回も謝ったメールを。
彼は悪くないのかもしれない。
悪気があって交換したわけじゃないって
わかってる。
でも、それを叱り飛ばす勇気も
大きな心で理解することも
あたしには出来なくて。
逃げ出してしまったあたしには
罰が待っているのかもしれない。
もし、別れを告げられたら
あたしはすがるのだろうか。
別れを告げられるだけ良いのかもしれない。
このままずっと連絡がなかったら
見えない牢屋に閉じ込められて
あの人を想うのだろうか。
「彼に依存しすぎている」
依存しない
自立した
大人の
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存在するのだろうか
あるのだろう、きっと
昨日のために買ったワンピース
昨日のために作ったネイル
何やってんだ。
でも。
バカでいい。
何回も
失敗して
失敗して
失敗して
傷だらけになっても
立ち上がる勇気だけは
持ってるんだから
昨日は連絡なかったから、
夜我慢できなくなってメール。
「あいちゃん。何してんの?」
もうすぐイベントを企画してる彼は
練習か用意をしてるに違いない。
わかってるのに返事を待ってしまう。
深夜に返信在り。
「今、帰ってきた。」
ただそれだけ。
忙しそう。
我慢、我慢。
「頑張ってね。明日また連絡して」
「あいよ」
そして、今日。
朝から大掃除をして
少しお昼寝もして
夜は高校の友人と男の子で飲みに行って
帰り道。
(あいとだ。)
携帯が鳴る。
「もしもし?」
自然に声が優しくなる。
「今、家?」
「おう」
「何してたん?」
「練習」
「そか。イベント頑張ってね」
「いや。いつも通りにやるだけ。
何してた?」
「今、ご飯食べてて帰るとこ」
「そういや今日さ・・・」
ああ。
何で。
こんな些細な会話が
幸せで仕方ない。
あいと。
あいと。
あいと。
すき。
想いは溢れる。
もちろん口には出せないけど。
伝わってるだろうな。
何となくそう思う。
「今日さ、すげー事故あってさ。
運転気をつけてな。」
「うん。もうすぐ着くよ。」
「そっか。じゃ、また明日な」
「うん。ばいばい。」
どうしよう。
すっごくすき。
何かに感謝したい。
生まれてきたことにも。
出会えたことにも。
付き合えたことにも。
また明日会えることにも。
いつか傷を背負う事になっても。
今日ご飯食べてるときに
「付き合うとしたら何歳くらいの人がいいか」
という会話になった。
馬鹿げてると思った。
「あなた何歳ですか?」
と聞いてから誰かを好きになるというのか。
「あたしは関係ないな。
すごく上でも、下でも、一緒でも」
「えー。将来とかどうすんのよ」
「今幸せかどうかだもん。
将来なんかおまけだよ。」
「あたしは無理!怖いわ。」
確かに、すごく怖い。
未来なんかなければいいと思う。
でも、確実に待っている。
あたしがすべきことはふたつだけ。
今を、思うまま、幸せに生きること
そして
常に失う準備をしておくこと
もちろん苦しい。
喜んでも
すぐ後には
悲しまなくちゃならない。
それでもいい。
あの人を
自分で
選んだのだから。
そのくらいの
覚悟はできてる。
この恋
どう転ぼうと
かけがえのないものに
してやるんだ
夜我慢できなくなってメール。
「あいちゃん。何してんの?」
もうすぐイベントを企画してる彼は
練習か用意をしてるに違いない。
わかってるのに返事を待ってしまう。
深夜に返信在り。
「今、帰ってきた。」
ただそれだけ。
忙しそう。
我慢、我慢。
「頑張ってね。明日また連絡して」
「あいよ」
そして、今日。
朝から大掃除をして
少しお昼寝もして
夜は高校の友人と男の子で飲みに行って
帰り道。
(あいとだ。)
携帯が鳴る。
「もしもし?」
自然に声が優しくなる。
「今、家?」
「おう」
「何してたん?」
「練習」
「そか。イベント頑張ってね」
「いや。いつも通りにやるだけ。
何してた?」
「今、ご飯食べてて帰るとこ」
「そういや今日さ・・・」
ああ。
何で。
こんな些細な会話が
幸せで仕方ない。
あいと。
あいと。
あいと。
すき。
想いは溢れる。
もちろん口には出せないけど。
伝わってるだろうな。
何となくそう思う。
「今日さ、すげー事故あってさ。
運転気をつけてな。」
「うん。もうすぐ着くよ。」
「そっか。じゃ、また明日な」
「うん。ばいばい。」
どうしよう。
すっごくすき。
何かに感謝したい。
生まれてきたことにも。
出会えたことにも。
付き合えたことにも。
また明日会えることにも。
いつか傷を背負う事になっても。
今日ご飯食べてるときに
「付き合うとしたら何歳くらいの人がいいか」
という会話になった。
馬鹿げてると思った。
「あなた何歳ですか?」
と聞いてから誰かを好きになるというのか。
「あたしは関係ないな。
すごく上でも、下でも、一緒でも」
「えー。将来とかどうすんのよ」
「今幸せかどうかだもん。
将来なんかおまけだよ。」
「あたしは無理!怖いわ。」
確かに、すごく怖い。
未来なんかなければいいと思う。
でも、確実に待っている。
あたしがすべきことはふたつだけ。
今を、思うまま、幸せに生きること
そして
常に失う準備をしておくこと
もちろん苦しい。
喜んでも
すぐ後には
悲しまなくちゃならない。
それでもいい。
あの人を
自分で
選んだのだから。
そのくらいの
覚悟はできてる。
この恋
どう転ぼうと
かけがえのないものに
してやるんだ
朝から身体が疼く。
言葉にしなくちゃ。
吐き出さなくちゃ。
見えない何かに
支配されてしまいそうだ。
今日は学校だと言ってた藍人。
目を閉じて
思い浮かべる。
眠い目を擦りながら起床。
放心したまま身支度を整えて。
冷蔵庫を覗いても何もなく。
近くの自販機でコーヒーを買う。
駅まで自転車を走らせ。
電車に乗りこむ。
居眠り。
駅に到着、慌てて飛び降りる。
猫背のまま学校まで歩く。
友達に電話、合流。
「かったるー」と補講を受けて。
煙草を吸って。
空を見上げて。
あたしのこと、思い出すかな。
小さな欠片になって
藍人の中に入りこみたい。
吐息の小さな粒にしようか
肩に乗っている小さなホコリ
まつげに掴まっていようか
靴紐にくっついた土の片鱗
どこまでも
どこまでも
あたしのこと
連れてって
女の子が居ると
すぐに目で追うクセ
大嫌いだけど
あたししか
こんなに
貴方の中に
入り込んでる子は
居ないのよ
あたしだけしか
操る事が
出来ないでしょう
始めはもっと
器用な子だと
上手に遊んでいるのだと
すぐに浮気をして
あたしを
捨ててしまうのだと
そう思ってた。
お馬鹿さんね。
女の子の前では
お酒が無いと
借りてきた猫みたいになって。
何にも無いから
楽しませてあげる事も
出来ないで。
他の所になんか
今更行けないんだから。
でも、いつか。
自分の足で
土を踏みしめたいと
新たな土地を開拓しに
旅に出たいと
あたしに懇願するのでしょう。
そうなんでしょう。
さめざめ泣いたりしないから大丈夫。
すがりついたり決してしない。
あげた物返せなんて言うほど与えてないし。
ぶったり・・・しないと思う。
ただ二度と会いたくないと
そう言うでしょう。
背中を向けて
貴方が立ち去るのを
待つでしょう。
足音が聞こえなくなったら
そっと空を
見上げるでしょう。
この空は
絶対に
貴方と
繋がっている。
それは
永遠に。
その残酷な現実に
悔し涙を
こぼすでしょう。
今日の晴れた空の下。
猫のように気ままな貴方。
まだあたしを想っていて。
思い出してくれますように。
言葉にしなくちゃ。
吐き出さなくちゃ。
見えない何かに
支配されてしまいそうだ。
今日は学校だと言ってた藍人。
目を閉じて
思い浮かべる。
眠い目を擦りながら起床。
放心したまま身支度を整えて。
冷蔵庫を覗いても何もなく。
近くの自販機でコーヒーを買う。
駅まで自転車を走らせ。
電車に乗りこむ。
居眠り。
駅に到着、慌てて飛び降りる。
猫背のまま学校まで歩く。
友達に電話、合流。
「かったるー」と補講を受けて。
煙草を吸って。
空を見上げて。
あたしのこと、思い出すかな。
小さな欠片になって
藍人の中に入りこみたい。
吐息の小さな粒にしようか
肩に乗っている小さなホコリ
まつげに掴まっていようか
靴紐にくっついた土の片鱗
どこまでも
どこまでも
あたしのこと
連れてって
女の子が居ると
すぐに目で追うクセ
大嫌いだけど
あたししか
こんなに
貴方の中に
入り込んでる子は
居ないのよ
あたしだけしか
操る事が
出来ないでしょう
始めはもっと
器用な子だと
上手に遊んでいるのだと
すぐに浮気をして
あたしを
捨ててしまうのだと
そう思ってた。
お馬鹿さんね。
女の子の前では
お酒が無いと
借りてきた猫みたいになって。
何にも無いから
楽しませてあげる事も
出来ないで。
他の所になんか
今更行けないんだから。
でも、いつか。
自分の足で
土を踏みしめたいと
新たな土地を開拓しに
旅に出たいと
あたしに懇願するのでしょう。
そうなんでしょう。
さめざめ泣いたりしないから大丈夫。
すがりついたり決してしない。
あげた物返せなんて言うほど与えてないし。
ぶったり・・・しないと思う。
ただ二度と会いたくないと
そう言うでしょう。
背中を向けて
貴方が立ち去るのを
待つでしょう。
足音が聞こえなくなったら
そっと空を
見上げるでしょう。
この空は
絶対に
貴方と
繋がっている。
それは
永遠に。
その残酷な現実に
悔し涙を
こぼすでしょう。
今日の晴れた空の下。
猫のように気ままな貴方。
まだあたしを想っていて。
思い出してくれますように。
星は誰の願いを叶えるのか
2004年12月26日 恋愛皆様、お早よう御座居ます。
只今、昼の一時で御座居ます。
隣に藍人氏は居りません。
しかし、無事会えました。
何から書いて良いのやら。
約束の時間より
二時間遅れで再会を果たした二人。
理由として
歯の詰め物が取れた為
歯医者に行ってただなんて
どこまでもお馬鹿さんである。
あたしの車に乗りこんだ藍人は
「はい。プレゼント。」
と青くて大きい袋を
手渡してきた。
こんな大きい物とは思っても無かった。
「なあ、ディズニー好き?」
って前に聞かれたとき、
お菓子のおまけかなんかくれるのかな
とぼんやり考えていたから。
「後で見るね。」
と動揺を隠して後部座席に置く。
するとあたしのメール音が鳴る。
「あ、これ何ていう曲?」
「ん?「星に願いを」だよ」
「好き?」
「うん。大好き。」
「そか。」
その後オムライスとドリアを目指して
お店へ車を走らせる。
いつもはファミレスの藍人も
今日は「うまいとこ行こう」と
ご機嫌。
お店に入って注文。
待ってる間、食べてる間、
どうしてこんなに楽しいの。
ずっとケラケラ笑うあたし。
藍人もいつもより
目が優しい。
お店を出て
ショッピングセンターへ。
車内では手をつないで
甘えてくる。
お目当てのCDをお互い買って
帰ろうとエンジンをかける。
藍人が肩にもたれかかってくる。
「ねえ。早くかえろ。」
「うん。早く帰ろうね。」
きっと同じこと考えてる。
家に着くと
二人でベットに
寝転がる。
テレビを見たり
抱きつきあったり。
「藍人」
名前を呼んで
ぎゅっと抱きついた。
「ん?」
抱き締め返してくれる。
あ。
この感じ。
泣きたいような
苦しいような
救い上げられたような
幸福感。
あたし
ずっとこれが
欲しかったよ。
「あ、プレゼントある。」
「どれどれ?」
「はい。」
「お菓子?!食べるわー」
「あはは。それとこっちも。」
「ん?靴下?」
「違うー」
「おー、帽子か!ありがとう」
早速かぶる藍人氏。
何だか子どもみたいな顔になった。
「藍人は何くれたのかな。」
袋を開けると。
あ。
レコード。
「星に願いを」
ピノキオが描かれた
かわいいかわいいレコード。
「ありがとう。」
苦しくなる。
ずるいよ、藍人。
またあたし
君の事
何にもわかってなかったね。
ありがと。
こんな偶然泣きたくなる。
甘く溶け合ったあと。
二人くっついて眠る。
今までだったら
ひとりで
自由に眠りの世界を楽しんでいた
藍人。
あたしはその時間が
苦痛で仕方なかった。
でも、
藍人は絶対にあたしを離そうとしなくて
少しでも離れ様とすると
ぐっと抱き寄せて
途中で目が覚めて目が合うと
キスをして
あたしはずっと
夢の世界なんじゃないかと
錯覚してしまうほど
幸福だった。
携帯が鳴ってる。
朝方。
藍人のだ。
あたしは手を伸ばす。
藍人のママからだ。
あらら。
しらんぷり。
イケナイ彼女だ。
でも、今日だけは
あたしにくださいな。
携帯を持ったら
あたしはメールも
覗いてしまった。
藍人のメールは
日常を物語っていて、
バイト、学校、音楽の
どれかしかなくて。
あたしは涙がこぼれた。
少し寂しくなったら
他の男の人と
飲みに行ったり
電話したり
あたしは最低だ。
携帯をそっと置いて
また布団に潜り込んだ。
藍人があたしの腕を掴んで
どこ行ってんだよ言いたげに
ぐっと自分の胸に引き寄せる。
藍人の胸のニオイを吸い込んだ。
この子との未来はきっとない。
あなたはあたしのことを
いつかいい思い出にしてしまうだろう。
でも、あなた以上に好きになれる人なんか居なくて。
どうして、あの日、あの時。
あたしはあなたを見つけてしまったのかな。
後悔してる。
好きになったこと。
でも、出会えなかったら。
そう考えると震えるほど怖い。
もっとぎゅってしてよ。
くちづけてよ。
藍人に会えなかったら。
そんなこと
消してしまいたい。
これからなんて無ければいいのに。
朝がくれば。
明るくなれば。
また思い出す。
五年間が埋まらない事を。
あたし達はいつか離れて往く事を。
無情だ。
目覚めてまた溶け合って。
昼ご飯を食べて解散しようという藍人の思いつきを断って。
またひとりになったあたし。
車の中からCDが一枚消えている。
藍人だ。
勝手に持ち帰った。
ばかもの。
もう消えちゃってよ。
CDと一緒に
温もりと一緒に
思い出と一緒に
ただ一緒にずっと居たいと
願おうとすると
あたしの空には
雲がかかる。
願いは
届かない。
秘密は後ほど書かせて頂きます。
只今、昼の一時で御座居ます。
隣に藍人氏は居りません。
しかし、無事会えました。
何から書いて良いのやら。
約束の時間より
二時間遅れで再会を果たした二人。
理由として
歯の詰め物が取れた為
歯医者に行ってただなんて
どこまでもお馬鹿さんである。
あたしの車に乗りこんだ藍人は
「はい。プレゼント。」
と青くて大きい袋を
手渡してきた。
こんな大きい物とは思っても無かった。
「なあ、ディズニー好き?」
って前に聞かれたとき、
お菓子のおまけかなんかくれるのかな
とぼんやり考えていたから。
「後で見るね。」
と動揺を隠して後部座席に置く。
するとあたしのメール音が鳴る。
「あ、これ何ていう曲?」
「ん?「星に願いを」だよ」
「好き?」
「うん。大好き。」
「そか。」
その後オムライスとドリアを目指して
お店へ車を走らせる。
いつもはファミレスの藍人も
今日は「うまいとこ行こう」と
ご機嫌。
お店に入って注文。
待ってる間、食べてる間、
どうしてこんなに楽しいの。
ずっとケラケラ笑うあたし。
藍人もいつもより
目が優しい。
お店を出て
ショッピングセンターへ。
車内では手をつないで
甘えてくる。
お目当てのCDをお互い買って
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藍人が肩にもたれかかってくる。
「ねえ。早くかえろ。」
「うん。早く帰ろうね。」
きっと同じこと考えてる。
家に着くと
二人でベットに
寝転がる。
テレビを見たり
抱きつきあったり。
「藍人」
名前を呼んで
ぎゅっと抱きついた。
「ん?」
抱き締め返してくれる。
あ。
この感じ。
泣きたいような
苦しいような
救い上げられたような
幸福感。
あたし
ずっとこれが
欲しかったよ。
「あ、プレゼントある。」
「どれどれ?」
「はい。」
「お菓子?!食べるわー」
「あはは。それとこっちも。」
「ん?靴下?」
「違うー」
「おー、帽子か!ありがとう」
早速かぶる藍人氏。
何だか子どもみたいな顔になった。
「藍人は何くれたのかな。」
袋を開けると。
あ。
レコード。
「星に願いを」
ピノキオが描かれた
かわいいかわいいレコード。
「ありがとう。」
苦しくなる。
ずるいよ、藍人。
またあたし
君の事
何にもわかってなかったね。
ありがと。
こんな偶然泣きたくなる。
甘く溶け合ったあと。
二人くっついて眠る。
今までだったら
ひとりで
自由に眠りの世界を楽しんでいた
藍人。
あたしはその時間が
苦痛で仕方なかった。
でも、
藍人は絶対にあたしを離そうとしなくて
少しでも離れ様とすると
ぐっと抱き寄せて
途中で目が覚めて目が合うと
キスをして
あたしはずっと
夢の世界なんじゃないかと
錯覚してしまうほど
幸福だった。
携帯が鳴ってる。
朝方。
藍人のだ。
あたしは手を伸ばす。
藍人のママからだ。
あらら。
しらんぷり。
イケナイ彼女だ。
でも、今日だけは
あたしにくださいな。
携帯を持ったら
あたしはメールも
覗いてしまった。
藍人のメールは
日常を物語っていて、
バイト、学校、音楽の
どれかしかなくて。
あたしは涙がこぼれた。
少し寂しくなったら
他の男の人と
飲みに行ったり
電話したり
あたしは最低だ。
携帯をそっと置いて
また布団に潜り込んだ。
藍人があたしの腕を掴んで
どこ行ってんだよ言いたげに
ぐっと自分の胸に引き寄せる。
藍人の胸のニオイを吸い込んだ。
この子との未来はきっとない。
あなたはあたしのことを
いつかいい思い出にしてしまうだろう。
でも、あなた以上に好きになれる人なんか居なくて。
どうして、あの日、あの時。
あたしはあなたを見つけてしまったのかな。
後悔してる。
好きになったこと。
でも、出会えなかったら。
そう考えると震えるほど怖い。
もっとぎゅってしてよ。
くちづけてよ。
藍人に会えなかったら。
そんなこと
消してしまいたい。
これからなんて無ければいいのに。
朝がくれば。
明るくなれば。
また思い出す。
五年間が埋まらない事を。
あたし達はいつか離れて往く事を。
無情だ。
目覚めてまた溶け合って。
昼ご飯を食べて解散しようという藍人の思いつきを断って。
またひとりになったあたし。
車の中からCDが一枚消えている。
藍人だ。
勝手に持ち帰った。
ばかもの。
もう消えちゃってよ。
CDと一緒に
温もりと一緒に
思い出と一緒に
ただ一緒にずっと居たいと
願おうとすると
あたしの空には
雲がかかる。
願いは
届かない。
秘密は後ほど書かせて頂きます。
あと数時間で藍人に会える。
頭では何回も理屈を捏ねて
彼の人の嫌な所ばかり思い浮かべ
「捨ててやる」と呟いたりまでしたのに
心は何故か浮き足立っている。
もう半年も付き合っているというのに。
十二月は人肌恋しい季節だというのに。
今月会うのは二回目。
どうして。
落ち着かない。
緊張する。
会いたくない。
気持ち悪い。
藍人とあたしは
きっと
全く
ワカリアエナイ。
そんなの
もう気付いてる。
分かり合えないから
もどかしいから
きっと
離れられないんだ。
まだ分かるかもしれない
もっと知りたいって
欲張りになるんだ。
一緒に居ても
分かり合える会話なんてなくて。
でも、側に居たら
お互い
離れてはいられない。
どうして。
誰かが操っているの。
限られた時間の中で
あたし達はどこまで近くにいけるのだろう。
もっと。
もっと。
もっと。
あたしの中に
入って来てよ。
今日は
言葉なんて
いらない。
約束なんて
守れない
貴方。
ただ
掴まえて。
離さないで。
約束じゃない。
頭を垂れて
お願いしても
良いの。
頭では何回も理屈を捏ねて
彼の人の嫌な所ばかり思い浮かべ
「捨ててやる」と呟いたりまでしたのに
心は何故か浮き足立っている。
もう半年も付き合っているというのに。
十二月は人肌恋しい季節だというのに。
今月会うのは二回目。
どうして。
落ち着かない。
緊張する。
会いたくない。
気持ち悪い。
藍人とあたしは
きっと
全く
ワカリアエナイ。
そんなの
もう気付いてる。
分かり合えないから
もどかしいから
きっと
離れられないんだ。
まだ分かるかもしれない
もっと知りたいって
欲張りになるんだ。
一緒に居ても
分かり合える会話なんてなくて。
でも、側に居たら
お互い
離れてはいられない。
どうして。
誰かが操っているの。
限られた時間の中で
あたし達はどこまで近くにいけるのだろう。
もっと。
もっと。
もっと。
あたしの中に
入って来てよ。
今日は
言葉なんて
いらない。
約束なんて
守れない
貴方。
ただ
掴まえて。
離さないで。
約束じゃない。
頭を垂れて
お願いしても
良いの。
朝、みつき殿に褒美が届いたそうな。
それはたった一行のメール。
みつき殿の想い人からじゃった。
みつき殿はさも嬉しそうに
優しく、注意深く、
返信をした。
その想いが報われたのか
夜にもまた想い人から
メールがやってきた。
しかし、
みつき殿。
何とも飲み会などどいうものに
参加しており返信出来ず、
思い切って電話をしたそうな。
電話に出た想い人は
働いている真っ最中だったため
電話は数秒で終了。
しかしみつき殿は
満足だった。
嬉しかった。
幸せだった。
これが
誰かを
想うと
いう事。
それはたった一行のメール。
みつき殿の想い人からじゃった。
みつき殿はさも嬉しそうに
優しく、注意深く、
返信をした。
その想いが報われたのか
夜にもまた想い人から
メールがやってきた。
しかし、
みつき殿。
何とも飲み会などどいうものに
参加しており返信出来ず、
思い切って電話をしたそうな。
電話に出た想い人は
働いている真っ最中だったため
電話は数秒で終了。
しかしみつき殿は
満足だった。
嬉しかった。
幸せだった。
これが
誰かを
想うと
いう事。
猫は飼主なんて要らなかった。
何より自由が好きだった。
自由に唄い、
自由に働き、
自由に眠った。
暑い夏の或る日。
飼主になりたいと
ひとりの女が擦り寄ってきた。
エサだけ頂いて逃げ出そうと企んだが、
そうはいかなかった。
女は自分のものにならなければ
エサはやらないと条件を出した。
猫はエサだけを求めて女のものになった。
エサは美味しく、
いくらでも与えられた。
猫はエサに溺れ、
唄う事も
働く事も辞めてしまった。
女は感情の起伏が激しく、
いつも猫を困らせた。
女は猫の自由が我慢ならず
鍵付きの首輪を着けた。
エサだけを求めていた猫は
嫌気がさして逃げ出そうと考えた。
女は猫の気持ちが手に取るようにわかった。
猫の気持ちが離れようとすると、
大粒の涙をポロリと落とした。
猫を母のように何度も抱いた。
知らぬ間に猫も女から
離れられなくなっていた。
女を見ると触れたくなり、
何もかもがどうでもよくなっていた。
半年が過ぎた頃、
仲間の猫達が反乱を起こした。
「目を覚ませ!
お前の居場所はそこじゃない。
この舞台の上なんだ。」
猫は唄うたいだった。
目覚めた猫は唖然とした。
自分が女と戯れている間に
他の猫達は自分よりも
優れた技術を身に付けていた。
そして、何より音楽に対して
真摯的であった。
猫にはお金も無くなっていた。
何もかもを失いかけていた猫は
目覚めてしまった。
「僕はなんて不甲斐ないんだ」
目覚めた猫は狂ったように働いた。
倒れるまで唄い続け、
寝る間も惜しんで曲を書いた。
猫が居なくなった女は
ひとりになった。
心にぽっかり穴が開き、
猫を想い出しては
啜り泣いた。
猫の白い毛並みや
しなやかな身体
潤んだ瞳に
悪戯な声
大粒の涙を落としても
舐めてくれる猫は
もう居ない。
師走の或る日。
引き出しを開けると
首輪の鍵が入っていて、
女は猫にこう言った。
「鍵をあげる。
首輪を外しなさい。」
猫が言った。
「睦月になったら、
また着けてよ。」
猫と女の
あたしと彼の人のおはなし
何より自由が好きだった。
自由に唄い、
自由に働き、
自由に眠った。
暑い夏の或る日。
飼主になりたいと
ひとりの女が擦り寄ってきた。
エサだけ頂いて逃げ出そうと企んだが、
そうはいかなかった。
女は自分のものにならなければ
エサはやらないと条件を出した。
猫はエサだけを求めて女のものになった。
エサは美味しく、
いくらでも与えられた。
猫はエサに溺れ、
唄う事も
働く事も辞めてしまった。
女は感情の起伏が激しく、
いつも猫を困らせた。
女は猫の自由が我慢ならず
鍵付きの首輪を着けた。
エサだけを求めていた猫は
嫌気がさして逃げ出そうと考えた。
女は猫の気持ちが手に取るようにわかった。
猫の気持ちが離れようとすると、
大粒の涙をポロリと落とした。
猫を母のように何度も抱いた。
知らぬ間に猫も女から
離れられなくなっていた。
女を見ると触れたくなり、
何もかもがどうでもよくなっていた。
半年が過ぎた頃、
仲間の猫達が反乱を起こした。
「目を覚ませ!
お前の居場所はそこじゃない。
この舞台の上なんだ。」
猫は唄うたいだった。
目覚めた猫は唖然とした。
自分が女と戯れている間に
他の猫達は自分よりも
優れた技術を身に付けていた。
そして、何より音楽に対して
真摯的であった。
猫にはお金も無くなっていた。
何もかもを失いかけていた猫は
目覚めてしまった。
「僕はなんて不甲斐ないんだ」
目覚めた猫は狂ったように働いた。
倒れるまで唄い続け、
寝る間も惜しんで曲を書いた。
猫が居なくなった女は
ひとりになった。
心にぽっかり穴が開き、
猫を想い出しては
啜り泣いた。
猫の白い毛並みや
しなやかな身体
潤んだ瞳に
悪戯な声
大粒の涙を落としても
舐めてくれる猫は
もう居ない。
師走の或る日。
引き出しを開けると
首輪の鍵が入っていて、
女は猫にこう言った。
「鍵をあげる。
首輪を外しなさい。」
猫が言った。
「睦月になったら、
また着けてよ。」
猫と女の
あたしと彼の人のおはなし