今日今週弐回目の
仕事をサボり

朝から
ワイドショーを
見ていたら

「今、年下の男の子と
 恋愛することを
 トウキョウタワーする、って
 言うそうなんです。」

と、ワイドショー特有の
わざとらしいナレーションが
流れた。

江國香織著

「東京タワー」

あたしはこの本を
発売当初に購入した。

もう、何年か前のこと。

江國香織の本は
すべて買う事に
決めている。

特別好きというわけではなく
正しくは特別好きだった。

学生の頃
「きらきらひかる」という作品に惹かれ
何度も読んだ事から収集が始まったのだ。

彼女の表現は好い。

「コーラの匂い」がする背中。

きっと愛さずにはいられないだろう。
想像力を掻き立てる。

冬に読むなら

「ぼくの小鳥ちゃん」

主人公の彼女の凛々しさと
小鳥ちゃんの奔放さが
あたしの金猫、銀猫に被る。

話しを戻すが、

「東京タワー」を初めて読んだとき。

大して感銘を受ける事もなかった。

弐、参回読んで本棚の江國の欄に
納められたまま特別顔を出す事もなかった。

ただ、

やはり作品から匂いたつものを感じた。

人妻と学生が
アパートで
情事の後に桃を貪る

甘い風景が脳をかすめる。

その何年か後で
まさか

「東京タワー」

してしまうなんて。

思いもしなかった。

あとがきで彼女は

「19歳の少年たちの物語を書こうとした」

と書いている。

あたしの
跡形も無い夢物語が
特別になったような
不思議な感覚。


あたしはいつか
話すのだろうか。

誰かに。

あたしに寄り添う
あたしを取り囲む
あたしが慕う
あたしが恋焦がれる

誰かに。

「東京タワー、したことあるの。」

と。

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