わかりあうということ
2004年12月31日 恋愛昨日の朝。
目覚めたあたしに
携帯は冷たかった。
何も考えないように
実家の大掃除に没頭する。
こんなとき
家族はあったかい。
母上には藍人の存在は知らせてない。
だから彼の居ない世界を作り上げてくれる。
まるで
始めから
居ないかのように。
大掃除が一段落して
急な睡魔に襲われた。
目覚めると
やっぱり
携帯は
冷たくて
ももにメール。
彼氏に最悪のフラレ方をしたももは
あたし以上にへこんでいて、
「こうなったら
イベント行って
踊り明かそう!」
と連れ出してくれた。
でも、行ったイベントは
果てしなく怪しく
閑散としていて
その場に居る事さえ
苦痛なものだったため
すぐ車に乗り込んだ。
「あーあ。
神様って意地悪。
一番どん底まであたしを連れてこうとする。」
「ももー。
ごめん。
あたし、なんか笑える。」
年末、女二人が年下男の手にかかって
こんなに苦しいだなんて。
笑わずにはいられなかった。
「あれ?
先輩、携帯光ってる。」
「ん?」
(藍人だ)
「もしもし」
「おっす」
「おっす・・・」
「昨日はイベント来てくれてありがとな」
「うん」
「あー、疲れた!」
「何してたん?」
「今、帰ってきた。」
「そっか。」
「みつきちゃんは?」
「あたし、ももとイベント行ってたんやけど
最悪で帰ってきた。」
「どこ?」
「○○」
「ああ、そこやばいで。
危ないから行かんほうがいい。」
「そっか。」
「今、友達と一緒なんやな。」
「うん。」
「何か冷たいと思ったわ。
じゃあ僕もう寝るわ。」
「うん。おやすみ。」
よかったねー!とはしゃぐももの声を聞きながら放心。
何で普通なの
あたしが考えすぎなの
ももを送り届けた後、
藍人に電話。
「ねえ。あそぼ。」
「んー。いいよ。」
すでに寝てた様子。
でもあたしのうちに拉致。
テレビを見てたら
首筋、鎖骨を舐めてくる。
時間をかけて
ゆっくり
ゆっくり
いつもより
夢中になってる
ああ
飲み込まれる
終わった後
携帯を見てる藍人
数秒後
「僕、帰るわ」
耳を疑った。
「そっか・・・」
やっと出た言葉と一緒に
あたしは大号泣していた。
それはもう今までにないくらい。
「もう帰れ、帰れ。
送ってあげるわ。
さっさと帰って。
だいっきらい。
二度と会いたくない。
ばかやろう。」
ありったけの言葉を
ボロボロ泣きながら
投げ付けた。
「どうしたん?
なんで?
え?
え?」
焦ってる。
「もういい。
もういいよ。
帰れ。
帰れ。
帰れ。」
「わかった。
帰るから。
理由だけ聞かせて。」
「・・・昨日、女の子に
番号聞いててさ。
不安になって帰って。
今日会えるのすごく嬉しかったのに
やったらバイバイって何よ、それ。
バカにしてんの?
ふざけんな。
ばか。」
「ごめん。
違うって。
イイワケしてもいい?」
そこから藍人は30分以上かけて
ゆっくりじっくり
言葉を選んで
自分の気持ちを話してきた。
女の子は幼なじみで
ダンサーをしてるらしく
イベントに出てもらうために
番号を聞いたこと。
他の知らない子のは
聞いてないということ。
でも、これからも
イベントに来てもらうためには
いろんな人と交換するということ。
あたしと居る時間より
友達と何かを作り上げている時間のほうが
大切に思うということ。
あたしといると
自分が置いてかれるようで
焦ってしまうということ。
話しを聞いているあたしは
とても冷静になっていた。
「俺、まだ子どもなんやな。
ごめんな。」
藍人はそう締めくくった。
「そっか。
わかった。
もういいよ。」
「何がもういいの?」
「もう、バイバイだね。」
「なんで?」
「あたしは藍人が好きやから会いたいし、
会ってたら楽しいし、安心する。
だから付き合いたいの。
なのに藍人はあたしといるとつらいんでしょ?
毎日会ってって言ってないじゃん。
ほんの少しでいいのに、
その時間だけでもあたしのこと見て欲しいし、
考えて欲しいのに。
他の事考えてしまうなんてイヤ。
あたしの気持ちは間違ってない。」
「間違ってないけど、
考えてしまうのはどうしようもないよ。」
「だから、わかったってば。
もういいよ。」
「もういいとかやめようよ。」
「じゃあ、どうしたらいいの。」
「もし別れたとしても、今みたいな関係でいたい。」
「そんなのずるい。」
「なんで?」
「あたしは藍人のこと忘れたいもん。」
「なんでなん。そんなん無意味やわ。」
「それはあたしが決めることやん。」
「また泣きそうになる・・・
お茶飲んで落ち着きなって。」
ごくん
ほんとはのどがカラカラだった。
涙と言葉ですべての水分が奪われていた。
藍人
欲しいもの
わかっちゃうの?
お茶を飲んだら
何だか
笑えた
「なんやねん。
お前。
泣いたり、笑ったり
おかしいわ。」
苦笑いして、頭をたたいてくる。
「こてーん」
少し考えるのに疲れたあたしは
藍人の膝に頭を乗せた。
藍人は10分ほど黙りこんだ。
「僕はな、みつきちゃんのこと好きやよ。
でも、他の事考えてしまうことは否定できやん。
みつきちゃんの気持ちもよくわかる。
やからこれからはさ、本音をさらけだしてこうぜ。」
「???」
「まとめてないよな・・・」
「うん。
だからどうするの?」
「だから僕はみつきちゃんのこと好きなんやって。」
「そっか。」
半年付き合ってて
初めて言われた。
「好き」って言葉。
「もう寝ようぜ。」
「一緒に?」
「まだ付き合ってるやろ?」
「そっか・・・」
いつものように抱っこしてくれる。
イベントのこと
メンバーのこと
音楽のこと
いつもより
たくさん
話してくれる
そして
いつのまにか
二人とも
眠ってしまった
朝起きて。
大晦日。
藍人は年越しのイベント。
あたしは家族で。
早起きして
藍人を家まで送る。
「寒いなー」
「うん」
ほとんどない会話。
あたしはこの人を
失うのだろうか。
車を降りるとき
「ありがとう」
「うん。今日頑張ってね」
「おう」
「よいお年を」
「よいお年を」
別れた。
直後にメールが
「昨日はごめん。
よいお年を」
返信
「あたしたちどうなったのかな?」
やっぱり
返事はこないのだ
目覚めたあたしに
携帯は冷たかった。
何も考えないように
実家の大掃除に没頭する。
こんなとき
家族はあったかい。
母上には藍人の存在は知らせてない。
だから彼の居ない世界を作り上げてくれる。
まるで
始めから
居ないかのように。
大掃除が一段落して
急な睡魔に襲われた。
目覚めると
やっぱり
携帯は
冷たくて
ももにメール。
彼氏に最悪のフラレ方をしたももは
あたし以上にへこんでいて、
「こうなったら
イベント行って
踊り明かそう!」
と連れ出してくれた。
でも、行ったイベントは
果てしなく怪しく
閑散としていて
その場に居る事さえ
苦痛なものだったため
すぐ車に乗り込んだ。
「あーあ。
神様って意地悪。
一番どん底まであたしを連れてこうとする。」
「ももー。
ごめん。
あたし、なんか笑える。」
年末、女二人が年下男の手にかかって
こんなに苦しいだなんて。
笑わずにはいられなかった。
「あれ?
先輩、携帯光ってる。」
「ん?」
(藍人だ)
「もしもし」
「おっす」
「おっす・・・」
「昨日はイベント来てくれてありがとな」
「うん」
「あー、疲れた!」
「何してたん?」
「今、帰ってきた。」
「そっか。」
「みつきちゃんは?」
「あたし、ももとイベント行ってたんやけど
最悪で帰ってきた。」
「どこ?」
「○○」
「ああ、そこやばいで。
危ないから行かんほうがいい。」
「そっか。」
「今、友達と一緒なんやな。」
「うん。」
「何か冷たいと思ったわ。
じゃあ僕もう寝るわ。」
「うん。おやすみ。」
よかったねー!とはしゃぐももの声を聞きながら放心。
何で普通なの
あたしが考えすぎなの
ももを送り届けた後、
藍人に電話。
「ねえ。あそぼ。」
「んー。いいよ。」
すでに寝てた様子。
でもあたしのうちに拉致。
テレビを見てたら
首筋、鎖骨を舐めてくる。
時間をかけて
ゆっくり
ゆっくり
いつもより
夢中になってる
ああ
飲み込まれる
終わった後
携帯を見てる藍人
数秒後
「僕、帰るわ」
耳を疑った。
「そっか・・・」
やっと出た言葉と一緒に
あたしは大号泣していた。
それはもう今までにないくらい。
「もう帰れ、帰れ。
送ってあげるわ。
さっさと帰って。
だいっきらい。
二度と会いたくない。
ばかやろう。」
ありったけの言葉を
ボロボロ泣きながら
投げ付けた。
「どうしたん?
なんで?
え?
え?」
焦ってる。
「もういい。
もういいよ。
帰れ。
帰れ。
帰れ。」
「わかった。
帰るから。
理由だけ聞かせて。」
「・・・昨日、女の子に
番号聞いててさ。
不安になって帰って。
今日会えるのすごく嬉しかったのに
やったらバイバイって何よ、それ。
バカにしてんの?
ふざけんな。
ばか。」
「ごめん。
違うって。
イイワケしてもいい?」
そこから藍人は30分以上かけて
ゆっくりじっくり
言葉を選んで
自分の気持ちを話してきた。
女の子は幼なじみで
ダンサーをしてるらしく
イベントに出てもらうために
番号を聞いたこと。
他の知らない子のは
聞いてないということ。
でも、これからも
イベントに来てもらうためには
いろんな人と交換するということ。
あたしと居る時間より
友達と何かを作り上げている時間のほうが
大切に思うということ。
あたしといると
自分が置いてかれるようで
焦ってしまうということ。
話しを聞いているあたしは
とても冷静になっていた。
「俺、まだ子どもなんやな。
ごめんな。」
藍人はそう締めくくった。
「そっか。
わかった。
もういいよ。」
「何がもういいの?」
「もう、バイバイだね。」
「なんで?」
「あたしは藍人が好きやから会いたいし、
会ってたら楽しいし、安心する。
だから付き合いたいの。
なのに藍人はあたしといるとつらいんでしょ?
毎日会ってって言ってないじゃん。
ほんの少しでいいのに、
その時間だけでもあたしのこと見て欲しいし、
考えて欲しいのに。
他の事考えてしまうなんてイヤ。
あたしの気持ちは間違ってない。」
「間違ってないけど、
考えてしまうのはどうしようもないよ。」
「だから、わかったってば。
もういいよ。」
「もういいとかやめようよ。」
「じゃあ、どうしたらいいの。」
「もし別れたとしても、今みたいな関係でいたい。」
「そんなのずるい。」
「なんで?」
「あたしは藍人のこと忘れたいもん。」
「なんでなん。そんなん無意味やわ。」
「それはあたしが決めることやん。」
「また泣きそうになる・・・
お茶飲んで落ち着きなって。」
ごくん
ほんとはのどがカラカラだった。
涙と言葉ですべての水分が奪われていた。
藍人
欲しいもの
わかっちゃうの?
お茶を飲んだら
何だか
笑えた
「なんやねん。
お前。
泣いたり、笑ったり
おかしいわ。」
苦笑いして、頭をたたいてくる。
「こてーん」
少し考えるのに疲れたあたしは
藍人の膝に頭を乗せた。
藍人は10分ほど黙りこんだ。
「僕はな、みつきちゃんのこと好きやよ。
でも、他の事考えてしまうことは否定できやん。
みつきちゃんの気持ちもよくわかる。
やからこれからはさ、本音をさらけだしてこうぜ。」
「???」
「まとめてないよな・・・」
「うん。
だからどうするの?」
「だから僕はみつきちゃんのこと好きなんやって。」
「そっか。」
半年付き合ってて
初めて言われた。
「好き」って言葉。
「もう寝ようぜ。」
「一緒に?」
「まだ付き合ってるやろ?」
「そっか・・・」
いつものように抱っこしてくれる。
イベントのこと
メンバーのこと
音楽のこと
いつもより
たくさん
話してくれる
そして
いつのまにか
二人とも
眠ってしまった
朝起きて。
大晦日。
藍人は年越しのイベント。
あたしは家族で。
早起きして
藍人を家まで送る。
「寒いなー」
「うん」
ほとんどない会話。
あたしはこの人を
失うのだろうか。
車を降りるとき
「ありがとう」
「うん。今日頑張ってね」
「おう」
「よいお年を」
「よいお年を」
別れた。
直後にメールが
「昨日はごめん。
よいお年を」
返信
「あたしたちどうなったのかな?」
やっぱり
返事はこないのだ
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